埼玉プール事故:出てこない図面

プール事故

ふじみ野市大井プールの事件について21日、調査委員会が開催されました。でも、私の予想通りというか、期待はずれというか、やはり一番肝心のモノが出てきませんでした。それは問題のプールの設計図書と完成図書(施工図面)です。これがないと、あの危険な吸水口が設計段階でどう位置づけられていたのか、ホンマにきちんと施工されていたのか、全くわかりません。やはり調査委は事故隠し委員会なのでしょうか?…


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8月17日付けで私はこう書きました。

「次回の調査委員会は21日開催とのこと。この委員会の真価というか、ホンマ度を測るのは簡単です。それはあるモノを机上に置いて議論するかどうかにかかっています。それが今回の事件を読み解き、責任の所在を明らかにする基本になるから。」

そのモノとは問題のプールの設計図書と完成図書(施工図面)。
設計図書とは設計時の根拠や計算及び設計図面などのこと。完成図書とは工事が完了した後、施工業者が役所に納品する完成時の図面や付属資料のことです。

設計書と設計図面を見れば、吸水口の安全対策が設計時から考慮されていたのかどうか、一目瞭然です。また、安全策が施工時から取られているのであれば、施工図にそれが記載されているはずです。

その完成図面の安全対策(あるのかどうかも私には怪しいと思っていますが)と現地のモノが同一なのかどうか。もし設計施工時点できちんと安全対策が取られていたのであれば、いつ誰がどうやって問題の針金止めの防護柵に変更したのかが問題になるでしょうし、日常のプール管理の内容等が検討課題になります。でも、そのことを議論するためには、まず設計施工時の内容を知ることが先決です。

図面は警察に押収*されているので、ふじみ野市は出すことができないという弁解をしているとも聞いています。でも、それなら警察から写しをもらえばいいだけ。ホンマに事故調査をするのなら、いくらでも方法はあるはず。要するに、警察の名前を出すことで事故調査にフタをしたいのか、それとも全くやる気がないか、そんなところでしょう。

*強制捜査ではないので押収ではなく、ふじみ野市側からの任意提出(ご指摘ありがとうございます>誰となく)。

次回は30日?とのこと。図面もない状態でどうやって再発防止策が検討できるのでしょうか。要するに自己責任を委託業者の契約問題やプール管理の実務にしわ寄せしようという気配が見え見えになってきました。被害者の命の重さと尊さをないがしろにしないでほしいものです。

(追記)
実は私、先日来、回りくどい云い方をしています。 
問題のプールについて私は決定的な設計上の問題点に気づいたのですが、ふじみ野市が自浄作用を発揮して私が疑問に思っていることを自ら公開し、事故再発防止に努めてほしいと願ってきました。でも、調査委の動向を見る限り、そうではないらしい。これではまた被害が繰り返されるかもしれないという危惧が出てきたので、そのことについて改めて触れようと思います。
(追記2)
>回りくどい話は別稿で解消しました。