家づくり実践記(18):見学者あれこれ

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日本消費者連盟関西グループ『草の根だより』(00/03月号所収)    

 新居に住み始めて早5ヶ月。いろいろなメディアで紹介されたり、自ら紹介しているせいもあり、見学に来られる方も多く、楽しい毎日です。見学者の皆さんとあれこれ話をするのは、こちらも勉強することが多く、有意義なひとときとなっています。

 有田宅の住宅コンセプトは、自然エネルギーの活用、木造住宅の未来形、雨水利用、有害物質排除、新しい水道給水管設計などあれこれ欲張ったものです。加えて、今後の家づくりのための実験的要素も盛り込んでいます。おそらく、どなたにも関心のあるモノがひとつやふたつはあるのではないでしょうか。
既に大勢の訪問者がありました。お祝いにかけつけてくれた友人知人、自宅建築の参考にしたいと考えている人、こちらの設計や施工に興味を持つ建築設計者や工務店関係者、それにマスコミ関係者などで目的もいろいろです。変わったところでは、週刊金曜日に載せた私の紹介記事を読んで、近所の方が見学したいと言ってこられた件。変わった家が建築されているのが気になり、いったい誰が住むのか、中身はどんな家なのか関心があったとのこと。見学に来られた方はしっかりした見識の方で、自宅には拙宅と同じ真空ガラス式のソーラー温水器を設置していらっしゃったため、話も弾みました。
  面白いことに、というか当然のことですが、見学者の眼のつけどころはさまざまです。断熱材の炭化コルクをあらわしにした部分に注目する人、木の床やぶっとい松梁、それに木工作家によるテーブルが気になる人、木のお風呂に入ってそのまま居着く人、上吊りの木製引き戸や洗濯物干しを兼ねたサンルームに関心を示す人、・・・何かそれぞれの家に活用できないかと考えらておられる熱心さが伝わってくることもあり、こちらとしても嬉しくなってきます。
しかし、困った見学依頼もあります。読売新聞に有田宅が紹介されたのを読んで、某民放朝番組から是非TVでやらせてくれとの申し出がありました。聞けば、朝5時半からのスタンバイで、7時半過ぎに全国生中継とのこと。朝5時半からのスタンバイでは近所迷惑になるので丁重にお断りさせてもらいました。
 また、インターネットで家づくりの紹介をしているせいもあり、見知らぬ方から突然メールが届くこともあります。だいたい返事をしていますし、それがきっかけで交友関係に発展することもあります。しかし、聞くだけ聞いておいてこちらの返答には返事もない人や、こちらの時間も考えず設計内容を細かく聞いてくる人、自分が頼んでいる工務店に電話をかけさせるので相談相手になってほしい等というトンデモナイ依頼もありました。こういうトンデモナイ方の見分け方を知っている人がいたら教えて下さい(苦笑)。

さて、やっとこの自宅づくりの本の執筆に着手しました。数ヶ月かかりにきりになりますので、しばらく本連載はお休みさせていただきます。ご勘弁下さい。 ’