炭化コルクの値段

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断熱材の炭化コルク、値段が高いのが欠点と先に書きましたが、この値段も実はさまざまで買い方によっては随分変わってきます。この稿では、定価ではなく実勢値を紹介しておきましょう。

(追記:2017/4/13) 炭化コルクは屋根や壁にはオッケイでも床断熱にはもう1つ。最近はPETボトル再利用の軽量な断熱材なども登場しており安全な断熱材選択の幅は広がっていますので、すべて炭化コルクで、というのではなくいろいろ考えてみて下さい。

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まず、国内取り扱いメーカーは3つ、東亜コルク、神戸コルク、ロビンソンコルクがあります。どこもポルトガル産のコルク樫を原料にしており、現地の製造会社は違いますが基本的な性能はほぼ同じと考えていいのではないでしょうか。さらに、この3社の下に商社的な代理店があったり、設計事務所や建築会社がそのまま代理店になっているケースもあります。

値段(定価)を最大手とおぼしき東亜コルクの例でいえば、

炭化コルク25mm 915 x 610 x 25mm ¥3760(平米) ¥2100(1枚)
炭化コルク30mm 915 x 610 x 30mm ¥4520(平米) ¥2520(1枚)
炭化コルク50mm 915 x 610 x 50mm ¥7530(平米) ¥4200(1枚)

となっています(98年4月現在)。ある代理店を通すと、この65%での販売とのことでしたが、それでも45坪程度の家1軒の屋根、壁、床を施工しようとしたら約110万円の材料費になってしまいます。グラスウールだったら約3万円の材料費ですから30倍以上、発泡ポリエチレンのサニーライトであれば約30万円で3倍以上!。いくら良い製品だからといって、これでは積極的に使おうという人は少ないでしょうし、一般にも普及しにくいのではないでしょうか。

しかし、ここで価格破壊を狙うメーカーが出てきました。神戸コルクです。神戸コルクの代理店である(株)ホルツェン・神戸が出している価格表によると、上記と同様仕様で、平米当たり1940円、2340円、3880円、1枚単価では1070円、1300円、2140円とほぼ半額となっています(送料別途)。おまけにこれらは定価ベースなので実勢値はこの7掛(建築家の足立さんの話から計算)。発泡ポリエチレン断熱材のサニーライトの実勢価格と比較しても約2倍で収まります。先の東亜コルクのものを某代理店を通したのと比較すると約55%、60万円強となり、金額で50万円近くも違ってきます。これは大きい。
実の話をすれば、拙宅では東亜コルクのものを京都の材木屋さん経由で入れました。当初は某代理店から買おうと思っていたのですが、施工を頼んでいた工務店が材木といっしょに買うと結構安く入れられることがわかり、そっちでお願いしたのです。結果的には先の(株)ホルツェン・神戸が出している値段とほぼ同じ程度になっているようですが、買い方によって金額が違うことに今更ながら驚く次第。まぁ拙宅のような買い方はイレギュラーかもしれませんが、炭化コルクを使う場合は、よく使っている建築家を通すか、(株)ホルツェン・神戸のような価格破壊に努力している代理店を通すこと、そうすれば安く買えるというわけです。メーカー言い値の高い値段で売っている代理店は値段改定しないと世の中に取り残されてしまうでしょうね、きっと。 >誰となく
とにもかくにも炭化コルクが高いという話は、実勢価格でいえばサニーライトの2倍程度であり、居住者・施工者に対する安全性、廃棄処分時の環境問題などを考慮するならば、この2倍差は「高いものではない」と私は考えます。炭化コルク断熱材を狙っている方はご注意下さい。