赤水回避が銅入りの水に!

Water

 インターネットを徘徊していてたまたま見つけたHPに、とんでもないトラブルを発見。ある家庭で水道水の赤水対策を行ったら、水質基準の数倍も劣悪な銅入り水を飲まされることになったんですが、それも新築2年目とのことで被害者家族の気持ちを思うとやりきれません。

 話はこうです。96年5月に積水ハウスによる一戸建てを新築。約半年後水道水に赤錆が出てきたため、施工側は継ぎ手部分の施工にミス(瑕疵)があったことを認め、その部分をやり直しました。ところが、交換した素材が銅。水質基準で1.0mg/lのところ、その家庭では約3倍の最高2.90mg/lにまでなっていることが判明。これでは困ると居住者は積水ハウスに訴えたのですが、改善する気配がなく、とうとう建設省の中央工事紛争審査会の調停に持ち込まれて現在に至っているとのこと。老朽化が進んだ住宅の話ではなく、新築の家での話で赤水&銅入り水です。

 ここ最近、住宅内の赤水問題に関わることが多いのですが、新築住居で赤水という例もひとつやふたつではありません。一般に使われる塩ビ被覆鋼管では曲がりや継ぎ手カ所の施工でカケや欠損が生まれ、そこから錆が広がることはよく知られた話。現場でライニング塗装を追加したりすることもあるのですが、塩ビ鋼管では完全には腐食を免れ得ません。実態問題として、新築でも1,2年で赤水という事例は多いんです。

  先のトラブルでは施工業者の方にも継ぎ手部の腐食が認識できたからこそ、鉄錆のない銅製のものを使ったのではないでしょうか。しかし、これはもっと慎重に対処すべきでした。というのも入っている水道水のpHが酸性側に寄っていると銅の腐食が起きますし、この件では異常な銅濃度が検出されているので、もう少し他にも検討すべきことがありそうです。

 ついでながら、銅の水質基準は味や外観(色)を考慮して決められたもので、現在までのところ人体への毒性という観点では問題がないとされています(動物実験ではシロ)。つまり、味や色がひどければ通常飲むことを諦めるので、高濃度の銅入り水を問題にする必要はないという解釈です。しかし、今回のケースでは味や色に問題が出てしまい日常の使用に耐えられないわけですから、明らかな水質基準違反事件。住宅工事の瑕疵だと私は考えます。
 詳しい話はhttp://club.pep.ne.jp/~ohtsubo/をご覧下さい。大変だなと思った方は是非、ご家族への応援メールもよろしくっ!

(追記:99/07)
上記のHPは、積水ハウスとの和解により現在内容掲載を中止したと聞いております。