シドニーで大規模な原虫感染症が発生!

Water

*先日の書き込みをお読みになった方へ、感染状況やその規模については未だ曖昧な点が多いため、水源で浄水場で病原性原虫が見つかったという当局発表のみを確定情報とします。

現地の報道によると、オーストラリアのシドニーにおいて、水源ダムや浄水場の水の中にクリプトスポリジウムやジアーディアが発見され、約300万人の住民に多大な影響を与えています。水源地域だけでなく浄水場の処理水でも高いカウントのクリプトスポリジウムが検出されたため、7月29日に最初の「なま水警報」が発効されました。シドニー全市民に出された今回の「なま水警報」(boil water alert)とは、飲用、歯き、うがい、サラダやシーフードのような火を入れない食材を洗う場合、あるいは製氷の前には水道水を1分間沸騰させなさいという指導です。
8月初旬にいったん安全宣言が出たのですが、なぜかしら8月下旬になってまたクリプトスポリジウム等が検出されたため、8月25日に2回目の「警報」が出され、それも9月初旬に安全宣言した直後の9月5日にまたまた原虫が見つかるという事態で、三回目の「警報」が発令されています。病原生物のカウント数も100リットル中に1万個を越えるものまであって、汚染の深刻さを物語っています。また、原虫の時限爆弾と化した水源ダム湖や未確認の汚染源の存在も不気味です。
 新聞報道によると、住民が下痢や腹痛を訴え、下痢止め薬剤が店頭が消え去り、ミネラルウォーターが例年になく販売されているとのことですが、シドニー水道や衛生当局は関連疾病は確認されていないと発表しています。いったい、どっちが本当なのかは時間が経たなければわかりません。
シドニー水道当局が今年1月に水源地域でクリプトスポリジウムが検出されていたのに対策を怠ったとか、HIV+/エイズ患者等免疫不全患者への対応をほとんど採ってこなかった点も指摘されています。
 シドニーといえば、2000年にオリンピック開催が予定されており、国際オリンピック委員会も詳細な報告をシドニー当局に要求しているとのこと。既に、市民サイドから水道当局相手の訴訟も準備されており、今後の動向が気になります。

*なお、朝日新聞9月19日に関連報道が出ていますが、警報発令日が違っていたり、クリプトスポリジウムのクの字もなかったりで、ちょっと納得がいきません。[#W10] に追記あり。

参考サイト:
・シドニー水道広報
   ・シドニーモーニングヘラルド誌の新聞記事