震災から5年

一泉庵

  朝6時前、あの悪夢のような地震発生とほぼ同じ時刻に目が覚めました。阪神淡 路大震災から5年、いったい私たちは何を学んだんでしょうか。

この日本で地震が起こるのは避けられない、そう認識してしまえば、起きることを 前提にして都市基盤整備はどうなるべきか、起きた後の救援・補償制度はどうした らいいのか、そういったことを真剣に考えるべきところでしょう。然るに、そんなことを 尽くしたとは言えないのが実情です。
バブル経済を演出し、がっぽりお金儲けした銀行等の金融機関を何十兆円という 税金で守っても、自然災害の被害者を守らない・守れない。それが、この国の政治 であり社会であるいうのは、実に悲しい限りです。
小田実さんでしたっけ、震災被害者は「棄民」であると言ってらっしゃったようです が、その通りですね。しかし、これは今回の地震地域だけでなく誰にも当てはまる 問題で、誰でも「棄民」にさせられる可能性はあるのだと思えば、もう少し真剣に考 えてもいいのではないかと思いますが、どうでしょうか。
震災5年でもう昔話のように考える向きもあります。何を学んだかというような他人 事ではなく、今でも震災後を生きている人がたくさんいます。私たちは被災者に対 して税金による支援という施策を満足に実現できなかったという「事実」をもう一度 考えてみる必要があります。
いったい何を考えるかって?一番簡単なことで言えば、次の選挙では震災被害者 を救わずに、金融権力を救った政治家連中は絶対に落としましょうよ。それが被害 者への仁義であり、自分らの未来に対する1票だと思います。

そんな決心を固めた朝でした。