今日の現場は大工さんの作業なし。午後現場で浴室乾燥機カワックの取付に関する打ち合わせ。原田さん、パイオニア設備の福岡さん、奥村さん、それに大阪ガス代理店カツラギの方。検討課題いろいろ。
明日から土壁裏返しの予定ということで土が届く。荷台に藁を敷いているらしく、ストッとドロ土が落ちるのが意外。運搬してきた土屋さんに聞くと、土は野洲川の土手付近のものだとか。どうりでユスリカが出たり、緑色のカビ類が出てくるわけです。
月別アーカイブ: 1999年5月
裏返し
天気は曇り。土壁の裏返しをはじめる。裏返しとは最初に塗った面の反対側を塗ることから来るらしいが、当初どないしたら引っくりかえせるのかしらんとホンマに悩んだりした(爆)。左官は原田左官父子、手元を大工の奥村さんと田辺さん。それにもう一人知らない方1名、後で聞くと某建材屋の社長さんが手伝いにいらしてたとのこと、ありがとうございました。夕方5時過ぎ、土がなくなり明日の作業に若干の残りを回すことになりました。
藁スサ混ぜて土準備、搬送開始。今日も達者な原田親方
原田左官の若大将は左利き。塗りに合わせて土を投げ渡す大工さんもなかなか大変
裏側に土壁を塗ったので、その水分が表側に浸みだし、竹や貫の部分以外に出てきて左のような模様になりました。これで約3時間後の状況、すぐに浸透してくるわけでなく、じんわりと滲んでくるのは面白い。土の吸湿作用の実演みたいなもんですね。
実は先週末から工事現場に奇妙な異臭あり。何かが腐っているのではないか等とあれこれ調べていると、原田棟梁曰く土ではないかとのこと。
拙宅では未発酵の土で土壁を塗っていますが、前回表を塗った時の残りの土を現場に残していたのが昨今の陽気で発酵が進んだみたいなのです。ああ、これが噂の土壁特有の発酵臭かと納得ですが、こりゃ相当変わった臭いだなぁとも思います。原田左官の親方によると、本当に発酵するともっと臭いがするのだそうで、住宅密集地で発酵土を使うと近隣からクレームが来るというのを実感。いやはや、話に聞いたり本で読んだりするだけでは臭いの内容まではわからない、ということです。
土壁ぬり完了
晴れ。朝一番で土が来るとのことでしたが、土よりも先に原田建設の奥村さん、田辺さん、そして原田左官父子の方が現場に到着。残り部分は少しだったせいもあり、午前中で塗り完了。後片づけをして土壁塗りはオシマイ。一段落で缶コーヒーを飲みながら、原田左官の親方から、興味深い昔の壁塗り話や倉壁の話をうかがいました。午後、奥村さんと田辺さんは現場の大掃除と草刈り。きれいさっぱり片づきました。ご苦労様でした。
綺麗に後片づけ、ご苦労様でした。右は2日後の外壁、だんだん水分が浸みだしてきた。
えりまき
朝一番、パイオニア設備工業の福岡代表から突然の電話。建屋内の排水管は結露対策などで通常はグラスウール巻きにするのを、拙宅では鉱物ウール素材を使わないことにしているため代替品を考えたいとのこと。グラスウール巻き以外には石綿2重管(耐火2層管)なんてものさえあるらしい(石綿とはアスベストのこと)。
福岡さんの提案はシーシーアイ株式会社の「音ナインSX」という製品で、製品仕様を調べてみると防音防露仕様でパイプの回りをウレタンフォームとEPDM(合成ゴムの一種)、PETで覆ったもの。グラスウール巻きやアスベストに比較するとずっとマシということで了解しました。建材素材のひとつひとつまで関係業者のチェックの目が行き届いているのは本当にありがたい。
それにしてもアスベスト建材っていろんなとこに残っているのですね〜、唖然の朝でした。
現場は、土壁が終わり新展開へ。棟梁らは「ゆかづか」(城東化学工業)の設置を開始。当初、木組みの束で設計していたんですが、ナイロン束の方が施工的にも楽で後のレヴェル調整も簡単、腐りの心配もなしという理由でこれに変更しました。城東化学工業の製品を使ったのは、ベタ基礎置きの接着剤の内容を公開していたからです。城東の製品にも大引受けが樹脂製のものと防虫・防腐・防蟻処理済みの合板(!)のものがあり、原田建設側ではちゃんと有害化学物質なしの樹脂製のものを選んで下さいました(感謝)。ここらも一つ一つ調べないと、とんでもないものを使ってしまいそうですね。
城東工業のゆかづか。右は「音ナインSX」断面
正午前また突然の電話。黒姫高原のペンション「ふふはり亭」オーナーの南夫妻が信州に戻る経路の寄り道で工事現場を観たいとのこと。JR小野駅前で待ち合わせて現場へ。わずかでしたが楽しい談笑の一時でした。