AIで作った人物キャラクター(AIアバター)を使って観光案内するというサービスが既にあります。現地に行っていないのに、架空の人物が街を歩き回り、名所案内をしたりレストランで食事をするというわけですが、すべて作り話。それで旅の魅力を本当に伝えられるのか。私は懐疑的です。
The New York Timesの記事によると、「いま旅行会社や観光局、関連企業は、コスト削減や発信内容の管理、コンテンツ制作のスピード向上を理由に、AI生成インフルエンサーの活用を進めている」らしい(出典はThe New York Times, Dec. 16th, 2025 “These Travel Influencers Don’t Want Freebies. They’re AI.” 私はSmart Newsが初見)
記事で最初に取り上げるラディカさんは「料理を味わうことも、スパイスの香りを嗅ぐことも、土産物を買うこともできない。なぜなら彼女は、人工知能(AI)で生成された存在」だと紹介されています。Instagramで見る限り本物の人間っぽいので、AIアバターだと分かる人はどれ位いるでしょうか。

インフルエンサーのAI化だけではありません、カタール航空のように架空のCAを使う会社もあるとのこと。これもまた航空会社側からすれば人件費や経費削減なのでしょう。(追記)
AIアバターの登場でインフルエンサーなどのビジネスが成り立ちにくくなるのはまぁ時代の流れみたいなものですが、架空の世界で作り上げた観光案内とは、煎じ詰めれば誰かが作り上げた虚構の世界でしかありません。何か薄気味悪さを感じるのは私だけではないでしょう。
新聞もテレビも雑誌も広告宣伝を優先し作り話をまぜこぜにしているのですから、AI アバターのどこが問題なのか、それはそれで良いのではないかという意見があるかもしれません。
でも実体験に基づかない観光案内とは単なる広告宣伝。誰がそれを目論んでいるのか理解しておかないとカモになるだけ。そのことだけは押さえておきましょう。また、きれいな話だけの観光案内って緊張感や警戒心を奪います。くれぐれもご用心。
(追記)AIアバターといえば、トランプ政権の悪用も指摘しておかねばなりません。先日トランプといっしょに登場する女性兵士がAIアバターだったことに触れましたが、イラン戦争で救出された戦闘機パイロットの映像もAIだったと報じられています。うそつきトランプ絡みはフェイクだらけなのでご用心。