
ザルツブルク音楽祭のプログラムを見ると最初に登場するのはUtopia Orchestra、指揮はテオドール・クルレンツィス。プーチンと親しい人物が、ロシアの戦争行為を非難しているヨーロッパで何故登壇できるのか。少し考えてみました。
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昨年末にザルツブルク音楽祭のプログラムを見ていると、聞きなれない名前の楽団がありました。Utopia Orchestraです。一般に音楽楽団には地域名を頭につけたり、資金源の組織名をつけたりするのが普通ですが(例外あり)、Utopiaとはこれ如何? 名前の印象から何か胡散臭さを感じるのは私だけでしょうか。
調べてみるとザルツブルク音楽祭には2023年から登場していました。というのも結成が2022年。この年に何が起きたのか、ロシアのウクライナへの侵攻です。
楽団創設者で指揮者のクルレンツィスは2018年にSWR(南ドイツラジオ放送オーケストラ)の初代音楽監督に就任していますが、それ以前からロシア国営銀行VTBをスポンサーにしてロシアで活躍していることで知られていました。
ところが2022年にロシアのウクライナ侵攻が始まると、クルレンツィスは侵略を公に非難する圧力に苛立ちを表明し、「黙秘権」を主張。要するに政治的な発言を避けることでロシアとの関係を保ったわけです。この発言を受けて、ヨーロッパ各地での彼のコンサートは中止になりました(当然)。出典はWiKi。
ここに登場したのがエナジードリンクのレッドブル(RB)。クルレンツィスに資金提供し、あちこちから楽団員を集めてオーケストラを作ることに協力しました。そして生まれたのがUtopia Orchestra。
このオーケストラはロシアの楽団ではなく、スポンサーもロシアではありません。でもそれは体裁上の話。現在でもクルレンツィスのアンサンブルMusicAeternaはロシア国営銀行がスポンサーですから、彼には2つの顔があるようなもの。
そんな2面性があるのにザルツブルクで公演できるのはなぜか。おそらく音楽祭自体の資金調達がロシアによる侵攻やイスラエルの戦争で難しくなってきていたところに、ザルツブルクに本社を置くレッドブルが支援を申し出た、思惑はともかく体裁だけでも整えてくれればOKだったのでは、というのが私の読みです。
レッドブルは本当にホワイトナイトなのか、背後に別の金主はいないのか。私的企業のお金の流れは外からはなかなか見えません。もしオルガリヒのようなロシア関係者が絡んでいるなら、ごまかしの迂回操作ではないのか。私がUtopiaという言葉に胡散臭さを感じるのはそういう訳です。
それにしてもレッドブルの活動は最近サッカー界でもイケイケ。FCレッドブル・ザルツブルクやRBライプツィヒはもちろんのこと、日本でもセレッソ大阪に資本参加したり、2024年にはRB大宮アルティージャ(J2)を完全買収したりしています。逞しい!
(付記) RB大宮アルティージャ のRBとはRasen Ballsport(芝生球技)というのが公式説明ですが、レッドブルに引っかけているのは見え見え。