
2月にAI企業のAnthropic(アンソロピック)がClaude Codeの用途を自社サイトで解説したらIBMの株価が一気に13%下落するという事件?、いわゆるClaudeショックがおこりました。
この事件の背景にあるのは、手間のかかるコンピューター言語のコーディングをClaude CodeのようなAIが効率化するため、現在ヒトで行っている作業が大幅に削減できるという予想です。でも、Anthropicの言い分と続いて起きた株価下落については少し注意が必要です。
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まず、Anthropicの言い分をみてみましょう。(コンピューター言語の1つである)COBOLは全米のATM取引の95%を処理している、金融、航空、政府関係のシステムを支えている言語だと指摘した上で、使える人が年々減少、開発者は高齢化し関連ドキュメントの継続性も怪しく、今後は関係エンジニアの確保がむずかしくなり、メンテナンスは困難になるだろうとのこと。
だからCOBOL modernization(COBOLの現代化)は避けられず、それを担うのがClaude CodeのようなAIであるというわけです。
一般にコンピューター計算は二進数で行われますが、そのまま扱うと割ったり乗じたりで誤差が積み重なってきてお金の勘定には向きません。それを解消したのが10進化2進(BCD)を採用するCOBOLで、金融会計分野で広く使われているのはそういう理由です。
Anthropicが云うまでもなく、私の知る限りでも40年以上前からCOBOLのメンテナンスをどうするのかという議論はありました。でもメンテナンスはIBM他一部のソフトウェアべンダーの独占市場で問題を先送り(黙っていても儲かるから)。そういう状況の中で登場したのが今回のClaudeショツクでした。
ネットでは「Claudeを利用することで、COBOLの運用を従来の数分の一のコストで合理化できるようになる」というのもありましたが、Anthropicの今回の発表にはそのような記載はないので(別の報道と合体させている)、これはメディア側の「煽り」でしょう(要注意)。
この発表を受け、IBMの株価は2月23日には13%下落。IBMに限らず、この方面をメシの種にしているSaaS(ソフトウェアサービス産業)の株価も同様に下がってしまいました。宜なるかなですが凄まじい!

でもこのIBM株価の下落は本当にAntropicの言い分が問題なのでしょうか。私はそう思えません。
たしかにIBMの株価は下がりました。でも少し長い時間軸をみると、違う景色が見えてきます。長期的にみるとまだ株価が破綻しているようには見えないから。

つまり今回はAnthoropicの発表に託けた株価調整だったということ。売上の大幅減、ビジネスの喪失というならもっと下落するはずです。
Claude CodeのようなAIがITエンジニアやSEの仕事を奪い、IT産業のビジネスを大きく変えてしまうのはほぼ間違いありません。でも、何かとAI、AIと囃したてて過剰な不安感を煽るメディアの報道にはご用心。現実に何が起きているのか理解できなくなります。これからも似たような話は繰り返されるはずなので、心しておきましょう。