CDジャケットの魅力 イザベル・ファウスト

バイオリニストのイザベル・ファウストさんをご存知ですか? 今年1月に来日していたのでお聴きになった方もいるのではないでしょうか。滋賀県でもびわ湖ホールで演奏会があり、連れ会いが出かけたところ素晴らしかったとのこと。行けば良かったな、と後悔する次第です。

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私がイザベルさんの名前を知ったのは昨年のルツェルン音楽祭のプログラムの中。アンネ-ゾフィー・ムッタ一さんなど著名なヴァイオリストに並んで名前が上かっていたので覚えていました(ルツェルンでは日程が合わなくて聴けず)。

さて、ここで取り上げるのはCDジャケットの話。クラシック演奏家のレコードやCDジャケットって演奏中の顔写真か記念撮影かと思うようなものばかり。良くいえばシンプル、悪くいえば芸がない。なぜクラシックのCDやレコードのジャケットは地味で面白味がないのでしょうか。

一方、ジャズやロック、ポップスのジャケットには印象的で記憶に残るようなものがたくさん。ジャケ買いという言葉もある位です。おそらくジャケットも楽曲の一部と考え、どうしたら自分らの演奏を聴いてもらえるか、そういうことを真摯に考えているからではないでしょうか。

連れ合いがびわ湖ホールのリサイタルで購入してきたCDを見て、日頃ジャケットについて考えていたことを思い出し、ちょっと感激しました。

1枚は凛とした立ち姿で、まるで侍。ヴァイオリンの弓がまるで刀を構えているような、あるいは弓矢を構えているようでもあり、とっても凛々しく格好いい。 これだけでもCDを買いそう(笑)。

別なCDではビビッドな色あいのブラウスに動きのある姿がとっても魅力的。聴く前から芯のある力強い演奏を連想させますね。

言うなればジャケットは演奏の入り口。その演奏家がどんな演奏を指向しているのか、そういうのをアピールする絶好の機会なのです。そういう意味で聴く前から人柄や演奏スタイルを感じさせ、聴こうという気にさせるイザベルさんのCDは素晴らしい。

この手のジャケットがクラシックの演奏家に少ないのはなぜか。レーベルの方針なのか。だとしたらジャケットの持つ訴求力に関心が薄いのではないか。

上手な演奏家は世界中にたくさん。コンテストで毎年のように受賞者が再生産される中で、演奏家は演奏だけで勝負すればいい、クラシックはジャズやロックのような演奏とは違うなんて思っていると甘い。

クラシックであれジャズであれ、コマーシャルな世界で生きていくならファンや聴衆の存在は必須、大阪弁で言うなら聴いてもらってナンボの世界。CD出すならジャケットの訴求力を自覚して欲しい。イザベルさんのCDジャケット見て、改めて強く感じた次第です。