ジアーディア

Water

 Giardia・・・・・人によってはギアルディアと言ってみたりジアルジアと言ったりしますが、私は英語発音のままジアーディアとしています。理由はこっちの方が発音しやすいし、英語で議論する時のことを考えれば2重の読み方は面倒くさいから。ちなみに、厚生省はジアルジアでドイツ語風?の読み方を採用しているみたいですが、だったらジアルディアと呼ぶ方が正しいんじゃないかしらん。

ところで、Gi-の英語発音はギではなくジの方が一般的で、Xファイルのスカリー捜査官はジリアンさんだし、インターネットでよく使われるファイルフォーマットはジフ(GIF)。まぁGiftみたいなのもあるから一概には言えないけど。
 おっとジアーディアという病原性微生物について書くつもりが本題を忘れるところだった(苦笑)。ランブル鞭毛虫という名を聞いたことがある人も多いと思いますが、それはGiardia lambliaという学名からの命名。栄養型(まるでクラゲか宇宙人みたいな感じ)や嚢子(シスト)型があり、シストのサイズは約10ミクロン程度です。多くの哺乳類や鳥類などに見い出され、人間に感染するのはイヌやビーバーに感染している種であるという説が有力です。あ、そういえば、人気TVドラマ「ER」でもビーバー病としてほんの一瞬登場しますね、これ。
主症状はクリプトスポリジウム同様、下痢です。免疫能の低下した人に重篤な影響を与えるのも同じ。特効薬については別稿を参照して下さい。クリプトスポリジウムに比較すると塩素耐性が弱いのは事実ですが、水道で行われている通常の塩素消毒程度では死滅しないので厄介です。感染経路は糞便を介したものだと考えられますので、水道水源では糞便性の汚染源や下水処理場/し尿処理場が要注意となります。日本では大丈夫だと関係当局は言うのですが、検水量をきっちり採って調査している所は日本では少ないのでホンマのところはわかっていないというべきところでしょうか。シドニーでは検水100リットルだそうですから、日本とは大違い。その結果、水源や浄水場、配管経路でジアーディアが検出されました。水道原水おおむね10リットルの採水という分析指針(クリプト指針)はなるべく出ないように設定しているのかしらんと思わせるほどの少ない水量なので、本当に問題視しているなら日本でもシドニーのように100リットル検水を採用したらどうでしょうか?>関係者殿

参考文献:吉田幸雄「図説人体寄生虫学」(南山堂)1997年