メディアと東電のズブズブな関係

.opinion 3.11

フジHD(フジ・メディア・ホールディングス)って、ご存じですか? フジHDは日本最大級のメディア企業複合体で、この監査役の1人はなんと元東電社長。それも2002年に原発事故隠しで辞任した人(週間金曜日848号)。あっちゃ〜。

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フジHD(フジ・メディア・ホールディングス)は、フジテレビ・ニッポン放送・産経新聞などを実質的に支配している持ち株会社。このフジHDの監査役の1人は、元東電社長の南 直哉(のぶや)氏。2002年に原発事故隠しで辞任した東電社長です。先日(5月12日)の2011年3月期決算発表でも南氏は監査役に留任。原発事故隠しで辞任した人を監査役にするのもヘンですが、メディアとして追及すべき対象であるはずの東電の元社長を監査役として留任させるとは、あきれた神経ではないでしょうか。どうもフジサンケイグループと東電との繋がりはとっても強いみたいです。

以前、経産省が電力自由化(送発電分離)を進めようとした時、それを潰すために動いたのが、東電社長だった南直哉氏。結果は、東電と電力業界側の勝ち。今回の東電原発事故を受けてこれからの電力事業をどうするかが問題になる時、また南氏の活躍の場ということなのでしょうか。あ〜オゾマシイ。

東電の元トップを役員として迎え入れているメディアはフジHDだけではありません。なんと、テレビ東京も元東電会長の荒木浩氏を監査役として迎え入れています。この荒木氏は2002年の原発事故隠しで辞任した会長(元東電社長)ですが、今もテレビ東京の監査役です。こんな調子だと、他のメディアにも東電のトップ陣や他の電力会社トップ陣が進出しているのかもしれませんね(分かり次第、お知らせします)。

ご存じの方も多いでしょうが、東電とフジ関係の話題を少し。今年2月フジサンケイグループ主催の第二十回地球環境大賞で東京電力がグランプリ(事故を受けてどうするかと思っていたら4月に東電側が辞退)。原発を推進してきた東電に「地球環境大賞」とはブラックジョークなのでしょうか。

また、大手メディアの子息令嬢が東電にごろごろ入社しているのは業界の常識。メディアだけでなく政界や官界からもたくさん。たとえば、(ほあんいんぜんいんあほ の)保安院ですが、記者会見に登場する西山氏の娘さんは東電勤務。また、自民党の石破議員の娘さんも東電勤務等々。

東電側から日銀政策委員会の審議委員や国会議員になる者もいれば、官界政界から東電側に流れる者もたくさん。かくして、電力業界は日本の支配者層に鎮座。庶民の電気代は世界一高くなり、今回のような原発事故まで招来する羽目に。このオトシマエをつけず、ズブズブな関係も放置したまま、東電救済スキームも何もないでしょうに(プンプン)。