糖質制限1年経過 その2 

.Lowcarboあるいは糖質制限

tree1311続いて、私の糖質制限1年の血糖値の変動を報告します。血糖の自己測定を通じ、糖尿病に関わる体の状態を把握できるようになりました。私の経験を少しでもお伝えできれば幸いです。

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血糖値は自分で測ることができます。糖質制限を行う場合、わざわざ病院に行かないと血糖値がわからないようでは効果どころか日々の食事との関係も掴めませんので、自己測定の意味は大となります。

使うのは自己血糖測定器。その方面の方々がSMBGと横文字表記する自己血糖値測定(SMBG ; Self Monitoring Blood Glucose)とはこれのこと。糖尿病の人、予備群な人のみならず、健康に関心のある人であれば1つ持っていると何かと便利です(注1)。と、前振りはここまで。

私のここ1年の血糖値を振り返ってみます。

myGL1311

青線は起床時の血糖値。緑は朝食後1時間、黄色は昼食後1時間、赤は夕食後1時間の血糖値の測定結果を示してます。起床時は1年間ほぼ毎日測りましたが、その他はときどき。これ以外にも食後2時間値やそれ以降、あるいは特定の日は日内変動なども測っていますが、話がややこしくなるので表示していません。

まず起床時の血糖値。最初は90以下から120超まで変動が激しかったのですが、次第に90~110程度に落ち着いてきました。時折80前後の値がありますが、前日晩に糖質の多い食事をした場合にインスリンがたくさん分泌されて翌日の血糖値が下がってしまったような感じです。面白いですね~。 (記載ミス)

また、夏場は起床時血糖値が少し高いことが図から読み取れます。この理由としては既に触れたように、血糖測定器のセンサーの温度補償がうまくできていないことの他、夏場の発汗などによる交感神経系ホルモンの影響ではないかと考えています。

起床時の血糖値が110前後までであれば、まぁそれほど糖尿病は深刻ではない感じもあるのですが、問題は食後血糖値。グラフからもわかるように1時間値で180、190というような値が時々見られます。

何が問題なのかといえば、高血糖値の頻発や大幅な変動が血管を傷つけ、失明の危険性を高めたり(糖尿病性網膜症)、腎臓機能を破壊したり(糖尿病性腎症・腎不全)、神経症や心疾患に繋がるから。この合併症が糖尿病のコワサであることは云うまでもありません。

road1311bじゃ、どういう場合にそのような高い血糖値が出現するのか。いろいろ試してみたところ、私の場合、短時間に糖質の多い食事を摂った後に起こりやすいことがわかりました。また、夕方よりも朝や昼の方が血糖値が上がりやすい傾向にあるようです。

前者は、糖質を短時間に摂るとインスリンの分泌が追いつかず、結果血糖値が上がってしまうのではないかと考えられます。後者の朝や昼に血糖値が高いのは、交感神経ホルモンの影響で説明がつきそうです。でも、その根本的な理由が膵臓機能の疲弊なのか、体細胞のインスリン抵抗性によるものなのか、データからはわかりません。

一方、食後血糖値をあれこれ追跡したところ、1時間〜2時間以上の時間をかけてゆっくり食事を摂る場合にはそれほど上昇しませんでした。この1年で外食をする機会は多々ありましたが、その度にも確認済み。これは遅まきながらインスリンの分泌ができていることを示しています。

外食といえば、この1年、日本酒やビールを避け、赤ワインや焼酎中心のアルコールにしました。糖質をできるだけ減らすという配慮からです。当初、お寿司屋さん等で日本酒が欲しいと思ったこともありましたが、焼酎も慣れてしまえばオツなもの。糖質制限はカロリー制限とは違い、糖質なしならアルコールもオッケイというのが救いです。ちなみに自宅ではサントリーのオールフリー(糖質ゼロ、アルコールゼロ、カロリーゼロ)を飲むことが多いです。

要するに私の場合、食事をゆっくり摂ることで良好な血糖値を維持することが可能なようです。糖質制限を行う限り、血糖値はそれほど上がりませんし、加えて短時間でかき込むような食事をやめることも肝心だと確認した次第です。

一方で、糖質制限によって体脂肪が大幅に減ることでインスリン抵抗性も次第に減っていくことが期待できるので、膵臓機能復活への希望も出てきました。とっても嬉しい測定結果です。

以上、私の糖質制限1年の血糖値分析結果でした。

糖質制限は素晴らしい。自己血糖測定によって日々効果のほどを確認できるのも力強い。最後に毎日の糖質制限食の実施を支えてくれた連れ合いと、糖質制限を世に広めて下さった江部医師らのご尽力に改めて感謝いたします。糖質制限で都合の悪いことは何一つなしですので、このまま継続していくことにします。

ざくろはグレネード。 でもグレネードって手榴弾じゃないですか。知らんかったなぁ。

ざくろはグレネード。
でもグレネードって手榴弾じゃないですか。知らんかったなぁ。

(注1)私が使っている血糖測定器はロシュのアチュチェックアビバナノ。糖質制限開始後に使い始めたものでこれは2代目。最初はアセンシアのブリオを使っていましたが(2006年購入)、採血量が多めで痛いため、アビバナノに切り替えました。どちらも1万円前後で入手可能。最近は5000円程度の測定器も出ているようです。
また、機器とは別に測定センサーが必要で、1回の測定コストは約130円。安値で売っていそうな大手ドラッグストアでも測定センサーは定価販売なので要注意。値引きしてくれる薬局で買えば100円前後までコストを下げることができます。最近話題の薬ネット販売問題を受け、数年前からネット経由では測定センサーを購入できなくなっていましたが、今後はネットで購入できそうな感じになってきたのはマル。