糖質制限1年経過

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jintan1311私の糖質制限は早や1年を経過し、2年目に入りました。空腹時の血糖値は以前とあまり変わりませんが、食後血糖値の上昇が抑えられているみたいで、HbA1cは少しずつ改善してきました。そして、体重は約10kg減。体型が変わり、衣服の大幅な変更を迫られていることは既にお伝えした通り。ということで、お約束通りの1年経過報告です。

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まずデータからみてみませう。

血液と体重 この1年の変化 
2012年 2013/10/29
HbA1c 5.6〜6.1 5.2
昼食前の血糖値 101〜107 111
中性脂肪 101〜156 63
HDL 49〜53 65
LDL 92〜111 191
体重 69〜70kg 約58kg

糖尿病の指標となるHbA1cは昨年11月のデータ(糖質制限を開始して10日目のデータ)で5.6。それが糖質制限の実行で徐々に低下し、5.2になりました(正常値は4.3〜5.8)。これは嬉しい変化。HbA1cはその時々の血糖値ではなく、3ヶ月程度の血糖値を反映するため、明らかに日常の血糖値が改善されてきたことを示しています。

一方、昼食前の血糖値は111で、少し高めとはいえ普通の人と大差なし。糖質制限1年でもそれほど変化していません。血糖値については後日また整理してみます。

また、中性脂肪は減り、HDL(善玉コレステロールと称されるもの)は増加。ただし、LDLも増加しています。まぁコレステロール問題は学問的にはかなり怪しく、善玉とか悪玉なんて云い方も変だという見解に私は与しますので、これはほとんど気にしていません。

road1311じゃ、なぜ糖質制限をしようと思い立ったのか。それは昨年10月に食後血糖値を測ったら160〜、いや200超えみたいなデータが得られたから。私の場合、膵臓機能がヘタっているせいか、摂取した炭水化物に対してインシュリン分泌が充分に対応できていないみたい。

つまり昨年秋の時点で、私は糖尿病予備群から数歩糖尿病に踏み込んだ状態だったと考えました。このまま行けば、いずれ糖尿病の合併症も出てくるだろう、それは困るなぁと思ったわけです。

当方、2006年秋の狭心症以来、食事から脂肪分をなるべく減らし、カロリー取り過ぎの食事を減らすように目指すとともに、毎日のウォーキングに努めてきました。それなのに、体重はじわじわ増加。おまけに食後血糖値がどんどん上がってきたものですから、何か変。どこかに思い違い考え違いがあるのでは、と悩むことしきり。

そんなヤバい気配を感じていた折り、たまたま本屋の店頭で京都・高雄病院の江部医師が書かれた糖質制限の本を見つけました。すぐさま読んでみて「血糖値の上昇は炭水化物が原因なのか」と驚き、「糖質制限は試す価値がありそうだ」という感触を持ちました。

身内の医者の意見も同じだったため、人生短し善は急げで糖質制限を開始したのが昨年の11月。食後血糖値を上げないためにはいったいどうしたらいいのか、そのことを糖質制限の実行で身をもって学ぶことになりました。

また副作用というか、ボーナスというのか、1ヶ月、3ヶ月・・・と経つ間に体重がどんどん減りだし、おかげで体は軽やか、体調はずいぶん改善。体重58kgは40年前の高校生の頃と同じです。

先に揚げた血液データは3ヶ月毎に掛かり付けの病院で行っている検査によるもので、明らかな血液や体質改善がわが身をもって証明できました。1年経って改めてそのことを実感する次第です。

過去の経過記録は次の通り。1ヶ月/3ヶ月/6ヶ月/9ヶ月 の経過報告

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mhall1311ところで、昨年11月時点で日本の糖尿病専門医にかかっていたら私の運命はどうなっていたでしょうか?

カロリーの約6割を糖質で摂るような食事を「指導」され、食後の高血糖は免れ得ない状態になってしまいます。その高血糖に対しては、内服薬やインシュリンを処方して「治療」されることになり、失明や腎症(人工透析)等の糖尿病合併症になるのを毎日怯えながら過ごすことになっていたはず。それが現在の日本における糖尿病「治療」ですが、それがはたして治療といえるものなのか!

これに対して江部医師ら糖質制限を推奨する医者たちの言い分は明快です。糖質を大幅に減らして食後の高血糖を改善させ、内服薬やインシュリンを減らしていこう、あわよくば「なし」に持ち込もう、という考えです。この糖質制限で合併症を防ぐ可能性は大となるはずです。おかげで、私の人生もだいなしにならずに済んだみたい。

実のところ、糖質制限は奇抜でも異端でもありません。既に米国、英国、スウェーデンなどでは糖質制限の有効性に鑑み、治療法の選択肢として取り入れています。それが世界の趨勢。このことも本HPで既に紹介してきた通りです。

なのに、なぜかしら日本の糖尿病学会はガラパゴスを決め込み、多大な効果を有する糖質制限を未だに認めず、患者さん達を不幸の崖っぷちに追い込んでいます。それで誰が得をするのでしょうか。

糖質を充分に摂取しないと脳が働かない等という間違った発言をする愚かな「糖尿病専門家」がいるのにも唖然。また、糖質制限は長期の効果がはっきりしない等と足を引っ張る専門家もウヨウヨ。彼らは自ら行ってきた数十年の「カロリー制限&糖質約6割の食事指導」の失敗をどう考えているのか、呆れるばかりです。要するに、自分たちの誤りやその重大責任を認めたくない故の抵抗なのでしょう。

自分が糖尿病もどきになってわかったことは、この国の糖尿病問題は原発問題といっしょ。真実を庶民の目から隠し、利権者たちが儲けを貪っているという意味において、です。真相を知った時には地獄の一丁目という点においても同じでしょう。

糖尿病の専門医は間違った知識に固執し、栄養士達もそれにお追随。NHKをはじめ、ほとんどのメディアは間違った知識の拡声器に成り下がっています。そんな「専門家」や利害絡みの大メディアを鵜呑みにしていたら、私たちの生活や命はメチャクチャになってしまいます。

安全神話で誤魔化してきた原発の真相は3.11で明らかになりましたが、カロリー制限の「神話」は生き残っています。いまだ知らない人も多いことでしょう。糖尿病問題やコレステロール(&メタボ)問題は既得権益を守りたい人たちにとっては金づるなのでしょうが、私たち庶民にとってはアナザー3.11問題なのです。

自分が糖尿病もどきになって、かつ糖質制限を1年やってみて、そのことを強く感じる次第です。

saku1311