ホテルのレストラン

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cable1311食材偽装オンパレードな毎日。ホテルだけでなくデパート等にまで波及していく有り様は、この事件が単なるミスではなく、飲食業界の根源的な問題である証拠。今回の偽装事件の勃発をみていて、やっぱりな~~と思ったのは私だけではないでしょう。
この問題、TVカメラの前で偉いさんが頭を下げた(ふりをする)位で片付く問題ではなさそうです。

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ところで、ホテルのレストランってどんな時に利用しますか?

あなたは外食時にホテルのレストランを使いますか? 私はまずありません。理由は簡単、内容に面白みがないし、料金もリーズナブルではないから。

現在のホテルレストランというのは結婚式や祝い事、あるいは会合や接待等で使うか、昔のホテルレストランに愛着があるような高齢の人たちではないのでしょうか。

特別美味しいとか、そこだけのメニューというのであればまだ検討の余地はありますが、そんなのは例外中の例外で、魚のムニエル、ステーキ、エビの何たらかんたら等、変わり映えのしないメニューを10年1日のごとく出してくるから全く面白みに欠けます。おまけに、街場のレストランに較べて食材以外のコストがかかり過ぎてしまうせいか、どうしても割高になってしまいます。

サービスにしてもそうです。日本の飲食業界はホテルに限らずフロアで働く人への評価が低いため、サービスを専業をする人はなかなか育ちません。それなのに、ホテルでは割高な料金の上にサービス料金はしっかり上乗せするというのが実情です。そんな処ではお金が活きません。

でも時代は変わりました。ホテルレストランがお客さんを減らしたのは、バブルの崩壊やリーマンショックが必ずしも原因ではありません。30、40年前はともかく、リーズナブルでかつ美味しいレレストランは現在たくさんあります。おまけにネット情報が簡単に手に入る現在、お客はそのことを知っています。問題はガラパゴスと化したホテル側がどこまでそれを認識しているのか。

なのにホテルの経営者は問題の解決を自らの改革改善には向けず、レストラン部門に対し、なんでもいいから1円でも多く、利益を上げろと命じたのではないのか。食材を少しいじっても総コストはたいして変わりません。それなのにオバカな偽装をしでかす調理人が多いのは経営側の子細な要求に応えるためではなかったのか。根源的な問題というのはそういうこと。

儲け主義なのか成果主義なのか知りませんが、お客さん不在の飲食業に未来はありません。このままでは優秀な料理人はホテルから出ていくでしょうから、10年先のホテルレストランは壊滅的でしょう、きっと。

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ところで、最初に食材偽装を発表した阪急阪神ホテルズの社長や近鉄系の社長は辞任を表明しましたが、その他大勢のホテル経営者らはテレビカメラ前の反省ポーズだけで何もなかったことにしてしまうつもりでしょうか。そうだとすると、そんなお店は今後も信用できませんな。