通い箱

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okasi京都の三条小橋近くに、ときどき御菓子を買うお店あり。その名は月餅屋さん。ここの「わらび餅」は私の知る限り最高!です。小さなお店ですが、ひっきりなしにお客が来るようで、「わらび餅」は14時過ぎにはだいたい売り切れてしまうようです。さて、今回の話はその御菓子を入れる箱について。

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お店で御菓子を買うと紙箱に入れて持ち帰りができます。5つほど入るもので紙箱代が50円。もっと数が入るのは70円とかそれ以上になります。でも、しっかりした紙箱を毎回ワンウエイで使い捨てるのはもったいないし、無駄です。

そこである日、今日の紙箱を次回持ってきたらそれに入れてもらえますか?と店のご主人に尋ねてみました。すると、いいですよと快いお返事。紙箱といっても資源だからね、というご主人の考え方に嬉しさと頼もしさを覚え、その次からは紙箱を繰り返し使うようになりました。連れ合いは京都に行く時の常備品にしているくらいです。

ところが問題はまだ終わりません。紙箱を繰り返し利用にしたのはマルなんですが、何かひっかかります。美味しい御菓子は、それに見合う品格のある箱で繰り返し使えるものに入れてあげたい、と連れ合いが言い出しました。大賛成です。でも、何にする?… その答をやっと先日解きました。

金沢を訪れた時、香林坊近くの老舗漆器店「能作」に寄った折、弁当箱サイズの漆器の小重箱を見つけたのです。これだと思ったのか連れ合いは箱のサイズを入念にチェックし始めました。漆器店のご主人もこちらの話を聞き、なんなら職人にご希望サイズのものを作らせますよとのこと。値段も陳列のものより少し安くできそうだとの有り難い提案もありましたが、何事もイキオイが大切とばかり、漆塗りの渋いものを1つゲットしました。

そして4月末日。京都へ出かけた時にくだんの通い箱を使うチャンスがやってきました。この箱に「わらび餅」や季節のお饅頭を入れて下さるご主人の顔は心なしか満足気でにこやか。よしっと心の声が聞こえたような感じもあり?(ホンマか)。良かった良かった。「わらび餅」がなお一層美味しく感じられた一日でした。