出来レース

.opinion 3.11

関西広域連合がおおい原発の再稼働へ舵をとりました。安全性が確認されていないとか、法的手続きがとられていないとか、あれこれ苦言を呈していたのは単なるアリバイ工作だったのか。あまりの変わり身の早さに多くの人が出来レースに気づいたのではないでしょうか。
(写真は東京新聞 2012/5/31

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関西広域連合とは、兵庫県知事、京都府知事、大阪府知事、滋賀県知事、和歌山県知事、大阪市長、堺市長、徳島県知事、鳥取県知事の9委員で構成されています。この内、当初何人が原発再稼働を容認していたのでしょうか。

4大臣会合での判断は原子力安全委員会の「決定」を経ておらず、法定手続きがとられていないと主張したのは、京都府知事と和歌山県知事。加えて、卒原発の滋賀県知事に、原発そのものの安全性を問題にした大阪市長と大阪府知事もいました。つまり、9人中5人は原発再稼働を批判あるいは問題視していたのではないでしょうか。それが昨日になって急に「容認」路線に転向。多数決では容認は難しいはずなのに変ですね〜。

すぐに変わるような主張では最初から考えなしと誹られても当たり前。でも、本当は「ポーズだけ」の人物や、「云うだけ首長」がこの中に潜んでいたということ。そういう意味で、一連の流れは出来レースだったということができます。

京都府知事や和歌山県知事は元官僚ですから云わずもがな、滋賀県知事がいくら「慎重姿勢は変えていない」と云ったところで、国のファッショにノーと云わず再稼働に反対しないというのは「卒原発」なるマヤカシの証明です。

また、橋下大阪市長は「夏場電力の足りない時期に限定して原発稼働オッケイ」などという切り札?!を最初に見せてしまったのが大失敗。これが最後まで尾を引き、広域連合の意見書に「限定的」という文言を入れるだけの勝負にしてしまいました。鎧の下の本当の姿が垣間見えたというべきところです。

さてさて、なんとか連合と聞くと、すぐに暴力団を連想するのは私だけ? おまけに、関西広域連合の原発再稼働容認は、まるで国家暴力団と関西広域暴力団がシャンシャン手打ちをしたように見えてしまいます。

いくつかの自治体首長が原発を問題視していたではないかと思っている方々へ、外的状況が変わらないのになぜ簡単に関西広域連合の面々が原発の再稼働を容認できるのか考えていただきたい。あれは最初から結論が見えている話を、いかにして皆でごまかすか、ということでしかない。それを御用メディアがうまく立ち回って国民をマヤカシたという話なんでしょう。

庶民にできるのは、原発再稼働しても事故が起こらないのを願うことだけではありません。とくに今夏は電気の使用量を抑え、原発再稼働が電力不足とは何の関係もないことを世間に知らしめましょう。国家暴力団の言い分がいかに根拠のない希薄なものであるか、電力会社などの原子力マフィアの本当の思惑が彼らの利権や利益確保であることを明らかにしていきましょう(というか、既に原発再稼働は関電の経営上の問題だと国が云ってしまったのでバレバレ)。