屋根の上にはお金が転がっている

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写真は〔株)ソーラーフロンティアの実例集から

屋根の上にはお金が転がっていると云ったら信じますか? 土地があれば地代をとれるし、家屋があれば家賃が得られる、それと同じことが屋根でもできるという話。そのことを明示的に理解している人はどれほどいるのでしょうか。だって、屋根の上に太陽光発電パネル(ソーラーパネル)を取り付けて電気を作り出せば、即お金になるじゃないですか。

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屋根の上も家建物と同じくお金を生み出すということ、これはあまり知られていないか、理解されていません。ただし、そのためには発電パネルやインバーターなどの変電設備など発電設備が必要となります。つまり、元手があればお金が得られるというわけ。土地や建物だって元手がないとお金を生み出さないのですから、同じ構造といえばそうです。

15年前には発電能力1kW当たり100万円の費用がかかりました。現在は60万円を切っており、業者によっては40万円台の数字を出す処もあるらしい(安いのが一番と薦めるわけではありません、念のため)。

現在、ソーラー発電による一般家庭からの買取り価格は1kWh当たり48円(関西電力管内)。発電量は1kW能力当たり年間1000kWh程度なので(平均)、全量売ったとすれば年間48,000円(実際には自家消費分だけ少)。設備コストが48万円なら10年、60万円でも12.5年で全額償却できます。

口さがない人たちは昔から、ソーラー発電は金持ちの道楽だ、パネルの耐久性はわからない・怪しい等と貶していましたが、早い人で既に20年以上の実績があり、金持ちというより堅実な投資家だったというわけです。僻み妬みが目を曇らせたのでしょうか。

設備面でも深刻な問題は現れていません。拙宅でも既に13年目で何ら問題なし。したがって、10年程度の償却年限なら全く心配する必要はないといってよいでしょう(注)。

この発電設備を20年使うとしたら、まず最初の10年で元手になった投資資金と同じ金額を稼ぎ出し、その後の10年は元手タダで、ボーナスのごとく、お金がどんどん入ってくる。素晴らしい! だいいち、脱原発に繋がるので尚良し(というか、昔はこれがソーラー発電導入の主たる目的だったんだけどね。もう1つ、以前の買取価格では20数年経過しないと投資金額の回収はできませんでした)。

こういった理屈をさらに促進したのが昨年成立した、いわゆる「電気の買取り法」。前総理が辞職と引き替えに通過を迫ったという、あの法律です。それまで一般家庭かそれに毛が生えた程度の施設からでないと電気の買取りが不自由だったのを一気に規模を拡大させ、中型大型の施設で作った電気でも電力会社に買取らせることができるようになりました。

そういった動きを追い風に、最近は屋根貸しという商売もあるそうな。適当な面積を確保できる民間アパートやマンションの屋根あるいは屋上にソーラー発電パネルを設置するという会社が既にあり、屋根上だけを借りるので持ち主側からすれば「屋根貸し」になるというわけです。

面白いのは借りる会社の方がソーラー発電設備まで用意してくれるので、家主(あるいは屋主)は何もしなくてもよいというケース。これなどは屋根が土地でソーラー設備が建物のような、まるで土地活用ならぬ屋根活用。屋根貸しというのは言い得て妙ですね。

一般家庭の屋根活用を行う商売も出始めているようだし、屋根貸し・屋根活用は大きなトレンドになりそうな気配です。その流れが大河のようにビッグトレンドになっていけば、危険で後始末に困る原発の電気を使わなくても良いことに繋がっていくのです。いや、そうなって欲しいなぁ。

とか云って、屋根も面積に応じて不動産税を徴収する、なんて話が出てきたらイヤだなぁ。でも、すべての屋根がソーラー発電パネルで埋まるような時代がきたら、私はメチャクチャ嬉しいよ(笑)。

(注)今はなきサンヨーの発電パネルの中に当初能力を出せないものがあったとか、某国産メーカーのインバーターが10年程度でへたっている等の問題はあります。でも、どちらもメーカー保証でクリアできています。