この国は壊れている その2

.opinion 3.11

東電福一原発の廃炉計画が云々されています。格納容器内の破損燃料棒を取り出して解体するまでに30年以上かかるとか。取り出しのための「技術開発」が要るらしいので、30年が50年、いや100年になるかも知れず、工程計画は単なる「希望」でしかありません。でも、それよりも厄介なのは・・・。

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廃炉計画を別の側面からみてみましょう。

この国の年金制度が破綻しているのはご存じの通り。え、知らない? それは困ったな。ここにもまた「国の云うことを信じるな、メディアはウソツキだ」の原則があるのですが、それはさておき、年金がこれからもちゃんと受け取れるなんてのは希望的幻想でしょう。

つい最近、年金の支給開始年齢について「68歳案」などが出てきましたが、要するにこれは問題の先送り。年金破綻時期を少しでも先に延ばそうという苦肉の策に他なりません。だって、払うべきお金の手当ができなくなる日が来るというのを白日の下に晒したくないから。「68歳案」が通れば、すぐまた「70歳案」が登場することでしょう(ちなみに現在でも1953年生まれの人から段階的に先送りにされていて、現在50歳以下の人なら65歳からの支給)。

受取人の数が増えすぎて支える若年層の数が減ってくる、年金官僚が年金資産を湯水のように自己の利権に散財してきた等々、理由は多々ありますが、問題が解決できない限り、年金破綻は時限爆弾のようなもの。既にタイマーはチクタクチクタク。

専門家の試算では「厚生年金の積立金は2033年、国民年金の積立金は2037年に枯渇する」とのこと(河野太郎公式ブログ あと20年で枯渇する年金積立金 より)。時期の前後はあっても、あと20年もすれば誰もが現実に気づく(気づかざるを得なくなる)のではないでしょうか。

そして、東電福一の解体前に年金が破綻すれば、廃炉計画も大幅に遅れることになりかねない。いや、むしろ、そっちの方が現実的でしょう。やっと話が繋がった(苦笑)。ギリシアやイタリア等は対岸の火事ではありません。東電原発に関して細野某や枝野某がいくら希望的観測でモットモラシイ話をしても、日本の実情はかなりヤバイ。