There but for fortune

.Books&DVD… .opinion

Appleの映画紹介サイトを見ていて「There but for fortune」というドキュメンタリーを発見。何かなつかしいフレーズだなぁと思って見ていると、ああ、ジョーン・バエズの、あの歌ですね。でも、ドキュメンタリーは歌を作ったフィル・オックスを描いたものでした。

・・・・・・
歌はバエズの方が断然いい。これはしかたがない。ボブ・ディランの「風に吹かれて」だって、バエズが歌う方がずっと綺麗だし、よく響く。

それはそれとして、高校生の頃から歌詞のThere but for fortuneがずっと気になっていました。韻の踏み方が良いのか、耳に残ります。

♪ There but for fortune, go you or I, mm mm ♪

試験に出る英単語風にいえば、but forはwithoutと同じですから、「運がなければ、あなたか私か、どちらかはそうなっていたでしょう」というのが直訳で、「そうならなかったのは運が良かったから」という意味でしょうか。今から考えると、とっても意味深な文句で自分自身当時このフレーズに惹かれたのを驚きます。だって、やっと辿り着いたのが、「たまたま」とか「偶然」とか「運」で世の中が動いているという考え方ですもんね、私。

ある翻訳家の説明によると、S&Gの「キャシーの歌」にも似たようなフレーズがあり、こちらは♪There but for the grace of God may go I. ♪で、運が良かったのは神様のおかげとのこと。先のオックス詩の方は神様ではなく運だと云ったところに「キリスト教的な神を皮肉る当時の風潮が感じられる」(チェブさん)と説明されていました。鋭いなぁ。当たってそうですね。

実は、キャシーの歌も私は大好きで、昔ポール・サイモンのギターをコピーしたことがある曲なので、そんな違いがあったのか〜とちょっと驚きました。

蛇足ですが、ついでにPPMのThere but for fortuneも聴いてみました。これはこれでPPMらしいんだけど、PPMは「パフ」「ジョニーが・・・」の方が好みですね、私。それにしても、最近のマリーさんはまるでウシのようで、米国の病が高齢化ではなく肥満化であるというのを改めて認識。(追記)マリーさんは2009/09に逝去。