放置された「危険」 毎日新聞新潟版

プール事故

8月19日の毎日新聞新潟版が手に入りました。そこには、「検証04 にいがた」として、タイトルの記事が載っています。先にもお伝えしていた町民プールでの死亡事故に関するものです。…

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新聞記事の執筆者は毎日新聞の柴田真理子さん(新発田通信部)。そこには今回の事件の経緯とともに、なぜ、このような事故が起こったのかを検証しています。

新聞によると、この事故は7月29日午後2時半、新潟県横越町の町民プールで起きました。被害者は横越小6年の男子生徒(12)。プール中央にある排水口中央の排水管に足を吸い込まれ、溺れてしまいました。約10分後に駆けつけた消防隊員らに救出されましたが、2日後に死亡。排水口にかぶせてあるはずのフタはボルトで固定されておらず、何らかの理由ではずれていました。
救助が遅れたのは、プールの循環装置が止められなかったため(操作方法が救助員にはわからなかった)、大人6人がかりで引きずり出したとのことです。

何度も繰り返してきたように、典型的なプール排水口事故です。管理を怠り、排水口のフタが固定されていなかった、事件当時はフタがはずれていた、プール施設の操作方法がわからず救助が遅れた、被害者の死亡・・・何度こんな話を聞いてきたことでしょうか。もういいかげんにしていただきたい。

柴田記者の記事によると、新潟県保健体育課が03年9月に県立と市町村立の学校を対象に排水口の安全管理について調査したところ、13校でフタの固定や防止金具に不備があったとのことですが、今まで事故が起こらないのがもっけの幸いというべきで、早急に対処すべきでしょう。

さて、問題のプールは町民プールで、学校プールではありませんでした。でも、管理者は横越町の教育委員会です。実は97年に旧文部省の通知を受け、横越小のプールのフタは固定していました。ところが、横越中の生徒が使う町民プールはそのまま放置されたまま。昨年約151万円の予算を計上してプールの補修工事を行う予定だったのに、30万円を体育館関係に使っただけで、プール工事を見送っています。なぜだかはわかりませんが、プールの危険性について全く認識がなかったということだけはたしかです。ちなみに、フタの固定にかかる費用はこの横越町民プールでも1〜2万円程度だということが後で判明しています。私に云わせるなら、これは教育関係者の不作為による過失致死だと云いたいところです。

記事では拙著「あぶないプール」を引用しながら、最後に私のコメントと被害者の両親のコメントで締めくくっています。私の分を書き出すと、「関係者は、一人一人の命の重み、自身の責任を感じてほしい。悲惨な現状が生かされない行政の対応に、怒りを感じる」というものでした。
いったい、いつになったら学校関係プールの施設管理はまともになるのか。ホンマに、怒りを感じています。