水道管からドジョウ!

Water

あらまぁ!びっくり、蛇口をひねるとドジョウが出てきた。和歌山県湯浅町での出来事です。水道管と防火用配水管を誤って接続していたことにより、防火用水の先にあるのは近くのため池からドジョウを引き込んでしまった・・・というのだとか(毎日新聞 2008/05/31 他)。某TV局からコメントを求められ、水道管の接続について改めて考えてしまいました。
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TV局「そんな誤接続はよくあることなのでしょうか?」
私「よくあるとはとても云えませんが、たまにそういうアッテハナラナイコトが報告されています。」

TV局「なぜそんなことが起きるのですか?」
私「地下に埋設された管の区別がつきにくいので、同じ場所に通っている配管に繋げてしまうのでしょう。」

TV局「ため池の水を飲んでいて健康上の問題はないのですか?」
私「ため池の水質がわからないので何ともいえませんが、きれいな水であれば問題はないし、汚れた水なら問題でしょう」(なんて当たり前のことを云ってんねん、我ながら突っ込みたくなった)

TV局「乳児が腸炎で入院とありますが、因果関係はありますか?」
私「原虫や微生物による腸炎かどうか、詳しいことは調べてみないことにはわかりません。」

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ざっととしたやり取りがあって、夕方の番組で声だけ出演を依頼されましたが、もう水問題から手を引いたことにしているのでご勘弁下さいとお断り。

上記の中でメディアが一番知りたいのは『水道管の誤接続で病気などが広がった例があるのかどうか』ではないかと思うのですが、(自分の田圃の水を引き込むなら)「たしかにあります」と云うべきところでした。

拙著『あぶない水道水』のp.120に書きましたように、腸チフスや赤痢を引き起こした例はあります。元文献を引っ張り出すのは面倒なので何ですが、水道管が下水管等と誤接続されていたところ、断水時の水圧変化で汚水を水道の蛇口まで引っ張ってしまったという事例です。なぜ断水時かといえば、水道には圧力がかかっているので下水管の汚水は入ってこれないのですが、断水時に水が止まったりしてしまうと汚水が進入してくるというわけです。

水道当局は高度な浄水処理を使ってキレイな水を供給していると喧伝しますが、これは「話半分」だと考えた方がいいと私は主張してきました。なぜなら、浄水場を出た後、水道水を各家庭に送っている配管から有害物質が溶け出したり、高架水槽が汚染されていたり、はたまた今回のような管の誤接続があったりするからです。今回のドジョウもそういう実態を知らしめているわけです。

とにもかくにも被害者のご健康に問題がないことを願っています。