高野槙のお風呂

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kifuro検索サイト経由でこのサイトを訪れる人の約半分は家づくり関係。さや管ヘッダー工法や、特記仕様書等が常連ですが、木風呂についてもかなり人気があります。今回はその木風呂の話。
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先日TVで、世界のセレブに人気があるというお風呂メーカー、JACSONの社長が出ていらっしゃいました。そのお風呂の原点は京都柊屋のお風呂とか。残念なことに私は泊まったことがないので実物は知りませんが、TVで観ると普通の木風呂の雰囲気です。

柊屋さんのお風呂の材は高野槙。片方に頭安めの丸みを帯びた枕状のものがついています。まぁ、高野槙のお風呂なら拙宅でも同じですけど、柊屋さんのはほとんど節なし材で、うちのは小節。でも、それだけでお値段は桁1つくらいは違いますから、柊屋さんのはうんと高そうですね(苦笑)。

また、変わっているのはお風呂の壁面が二重構造になっていて、水が溢れても良いように設計されていること。JACSONの社長さんはこれをベタ褒めし、自社のお風呂設計にも取り入れていますが、木風呂でこれをやると内面部分の木腐りのメンテをどうするか…少し頭を抱えてしまいそうですね。

まぁそれは横に置き、木風呂の効用とは何でしょうか。まず暖かみ。JACSONの社長も説明していたようにお湯の温度が下がりにくい。木材の厚みがあればあるほど断熱保温効果は高くなりますから、理屈でもその通りですね。

また、お風呂内の温度が均質に近くなること。実はこの効果については家を建てるまでは軽視していました。ところが入ってみると、ステンレスやホーロー風呂とは大違いで、お風呂の端も中央も温度差がほとんどないのにびっくり。これらは熱伝導が大きいので端部分の水温が外部温度にかなり影響されてしまうのでしょう。この効果は体感してみないとわかりにくいかもしれませんが、均質温度の効用は寒い時期にはかなりのものです。

次に木の香りの心地よさ。檜風呂なら檜の香り、高野槙なら高野槙の香りがします。お風呂がくつろぎの場というのなら、この香りは結構大きなポイントになるはず。マキの香りってどんなの?と思った人は、薬草のような上品な香りがしますが、気になる人はデパートか東急ハンズ等で槙材の桶の香りでを嗅いでみて下さい。

さらにいえば、掃除の簡単さも大きなプラスです。え、ホンマ?と思ったかもしれませんが、事実そうなのです。

拙宅で木風呂を採用しようとした時、このメンテのことが話題になりました。木のお風呂にしたら掃除が大変なのではないか? 黒カビがわいたり、木腐りが起きたりしたらどうするのか?等々です。要するに、誰もが考える心配なのでしょう。

ところが、こういうお風呂をよく使っている建築家の足立和郎さん曰く、「全く問題になりません」と自信たっぷり。木風呂を作っている会社にいたっては「毎日の掃除は水を流すだけにして下さい」とのこと。何これ?ホンマなんかいな?

聞けば、お風呂を擦ったり、ブラシなんかを使うと表面を傷つけてしまい、そこからカビや細菌が入り込んで汚れてしまう。だから、お風呂の掃除は水を流し捨てた後、表面に軽く水をかけておくだけでいい…という簡単なもの。足立さんは自宅と親宅で確認済みとも。え、それだけ?と半信半疑でしたが、使ってみると実際その通りでした。

ただ、手当たりする箇所はどうしても擦れやキズができるので、経年で少しずつ黒カビが出てきます。でも、この部分も細かいサンドペーパーのようなものでメンテすればまず大丈夫。拙宅10年の経験でも、ステンレスやホーローよりも木風呂のメンテはかえって簡単なくらいで、難しくしんどいということはありません。

家のお風呂をどうしようかと悩んでいるあなたへ、木の風呂を是非検討してみて下さい。心地よさ、温度に香りにメンテの簡便さ。これらはステンレスやホーローあるいはプラスチック製のお風呂とは別世界。

私なんか、それほどお風呂好きではありませんでしたが、立派な旅館のお風呂にも羨ましさを感じることが全くなくなりました。拙宅のお風呂をみて(あるいは拙宅のお風呂に入って)採用を決めた人も結構いらっしゃいますし、お値段については既に触れたように、材をうまく選べば妥当なところです。ホンマにこれ、お薦めです。

追記) 高野槇のお風呂 2017 を追加しました。