2019年 道東9 落ち穂拾い

.Travel & Taste

今夏の道東旅行についてあれこれ記してきました。最後に落ち穂拾いをいくつか。

・・・

まず、美味しい宿について。

7の三余庵8のフラテッロ・ディ・ミクニを紹介しましたが、これは今回泊まった中での話です。十勝帯広なら十勝ガーデンズホテルも面白そうだし、釧路まで足を伸ばせばいろいろあるでしょう。また、美味しいレストランなら札幌方面を探す方が見つかりやすいかもしれません。ここで挙げた2つは私たち夫婦の印象で、ということでご理解よろしく。

宿やレストランの好みは人それぞれ。懐具合との相談もしなければなりません。気軽に北海道を旅したい、部屋にお風呂やトイレは無くてもよい、という向きには、今回泊まった中では中富良野の「ノーザンスターロッジ」がお薦め。部屋の快適さ、オーナーのホスピタリティ、食事の内容等を考慮すると1泊2食で1人約1万円はありがたい。

大手旅行雑誌には広告を出していないらしく、「いったいどこで知りましたか」と尋ねられましたが、こちらは北海道の地元雑誌の記事を参考に辿り着きましたとお伝えしました。(注記)

オーナーは元スキージャーナルの編集長の加藤さんご夫妻。雑誌は今年廃刊の憂き目に遭っていますが、海外から北海道へのスキー客は急増中。このロッジも冬は欧米のスキー客でいっぱいとのこと。でも夏は中国系・韓国系の人が多く、泊まった当日も私たち以外は中国と香港の家族だけの、面白い宿です。

次はお花。
北海道は気候のせいで関西とは草花の種類が違います。びわ湖の畔に住む私からすると、それだけで得難い話。そして、今回の旅行で北海道ガーデン街道という、大雪~富良野~十勝を結ぶ全長約250kmの街道沿いの北海道を代表する8つのフラワーガーデンを知りました。

六花の森(帯広)の訪問は日程の関係で適いませんでしたが、一番北にある大雪森のガーデンには行くことができましたし、富良野のファーム冨田も堪能しました(ガーデン街道には含まれない)。機会があれば他のお庭にも行きたいものです。

そして、ゴールデンカムイ。数日前、イギリス大英博物館でマンガ展を開催中とのニュースを見ました。入り口の看板にはムンクの叫びに並んで、本サイトでも取り上げたゴールデンカムイのアシㇼパの姿じゃないですか! 

(写真は和久井香菜子、「英国で再確認した「日本のマンガ」の多様性ーー 感動に震えた大英博物館「マンガ展」現地レポ」より)

また、ROKET NEWS 24で中澤星児さんはこの看板について、ビジュアル的にわかりやすく日本的だからアシㇼパが選ばれたのではないかと書かれています。なるほどなるほど。「少年漫画スタイルで書かれた強い女性」が様々なジェンダーに魅力的だ、という氏の読みは秀逸です。

それにしても、今夏弟子屈のアイヌ記念館へ行かなければこの漫画展の看板はわかりませんでした。新しく得た1つの知識が次の別な理解や解釈へと連鎖していくのはとっても楽しいですね。

・・・

いろいろ綴ってきました。私自身、札幌や小樽は少し訪れたことがある位で、道東は今回が初めて。予想以上に面白く楽しめました。海外もいいけど、見知らぬ事物と出会うという意味では道東もいいなぁと心から感じた次第です。

それにしても北海道の観光客は中国人や韓国人が多かった。調べてみると上海やソウルから道内の地方空港への便があるようですが、国内空港との連絡はもう1つ。その海外旅行も最近の政治関連の影響で韓国からの旅行者は減っているはず。この上、何かの事情で中国系まで減ってしまうと北海道の観光はどうなるんだろうかと余計な心配をしたくなるほどです。

(注記)口コミサイトには要注意。宿やレストラン評価の中には商売で褒めたり貶したりする会社があります。そんな玉石混交の中から、まともなものや自身に役立つ情報を読み取るのも腕のうち(きっぱり)。