はや7月・・・

.Travel & Taste

7月になると京都の街中では祇園祭のお囃子が聞こえてきます。夏ですね~。ムシ暑い夏を楽しむためか、この時期を祭りに選んだのは京都らしいといえば、らしい。さて、暑気払いといえば普通は鰻ですが、京都では鱧。そのハモ、地元のみならず観光客の胃袋を満たすため、京都では卸値段が跳ね上がると聞きます。そんな中、昨年に続いてまた銀閣寺近くの「日本料理藤井」へお邪魔しました。

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京都の料亭も様変わり。うまく世代交代できた有名処は健在ですが、そこから板前さんが分かれたり独立したりでお店がどんどん増えています。要するに、料亭レストランも新陳代謝の波の中。

日本料理藤井」は後者の流れに乗った新しいお店の1つ。主人は経歴からもわかるように腕はたしか。場所は浄土寺上南田町、というより銀閣寺を南側に下がった鹿ヶ谷通りに面しているという方が分かりやすいでしょうか。最近喧噪になってきた哲学の道からは少し距離があるため閑静です。

お店は昨年の開店。雑誌かどこかに載っていたので、私たち夫婦が訪れたのが昨年6月2日、その時に撮った写真などは既に紹介した通り。(2018/06/042018/06/05

1年振りの二回目。前回は夜でしたが今回はお昼。同じ季節なので食材はあまり変わらずと思っていたら、思いがけずの器談義が面白くて、美味しい料理がより美味しくなりました。

聞けば、今年の春先に三重県津の廣永窯で内々のバーゲンがあり、いろいろ仕入れることができたとのこと。廣永窯とは故・川喜多半泥子さんが開いた窯場。現在も三代目になる藤村州二さんらが受け継いでいますが、諸般の事情で経営が変わったので在庫を放出したらしい。

実は拙宅にも廣永窯の食器がいくつか。20数年前神楽坂の「うつわや釉」で出会って以来、何個か買い求めてきました。小皿や普通サイズのお皿が二種類、それに土平さん絵付けのお皿もあります。

左上は土平さんの絵付皿(小倉のもくきんどで購入)、右上と左下は神楽坂のうつわや釉にてゲット。

気に入った器というのは、どの店で誰からどんな風に買ったのかという履歴が鮮やかに甦ります(値段はすぐ忘れる)。上記写真で右下の皿は、今はなき京都のたち吉で廣永窯の展示会の折に藤村さんから買ったもの。何気に使い易いのがマルで、日常的によく使っています。

料理の美味しさとは食材の良さや調理のデキだけにあらず、器との相性や接客サービスも大きく影響します。とくに器とお料理とが上手くマッチすると、視覚効果による味覚の刺激で味わいアップ。「日本料理藤井」、お値段が比較的リーズナブルなお昼はとくにお薦め。