ダビンチ オーリス J&J

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先日外科手術の変化でダビンチを取り上げた時、「グーグルとJ&Jが組んだVerb Surgical社はその追撃の先兵でしょうか」と指摘していたら、早速新しい動きが顕在化してきました。ダビンチを開発したモール氏率いる会社オーリスがJ&Jに買収されたからです。

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ダビンチというのは画家のレオナルド・ダ・ビンチさんの名を採った外科手術支援ロボットのこと。ロボットといっても完全自動化しているわけではなく、体に開けた穴からロボットアームを入れて人間が操作するものです。ダビンチにもいろいろな種類があって、腹腔鏡手術は共通でも心臓、直腸結腸、卵巣その他部位によっていろいろ分類されています。

1999年に米国で販売開始され、現在では世界で3803台、日本では237台が稼働中です(2016年現在 日本ロボット外科学会報告)。

ダビンチは一昨年でしたか『ゴルゴ13』にも登場しましたし、私の地元では某病院での見学会に多くの人が応募していることを数日前ラジオで聴いた位ですから、既に存在を知る人は多いはず。でも、ダビンチを作っている会社名や開発者の名前まで知っている人は少ないのではないでしょうか。

そのダビンチを開発販売しているのは Intuitive Surgical社(インテュイティヴ・サージカル ISRG)。開発したのは外科医のフレッド・モール氏と電気技師のロバート・ヤング氏。当初は外科医を危険な戦場へ送るのを避けようという目論みで考えたようですが、1999年販売開始以来外科手術の現場で活用され、ISRGは時価総額618億ドル(2019年2月現在)にまで発展しています(でも今年の特許切れで昨年半ばから株価ダウン)。

そのモールさん、ダビンチだけでは満足せず、ハンセン・メディカルやオーリス・ヘルスなどを立ち上げ、いろいろな手術支援ロボットを手がけてきました。

とくにオーリスが開発したモナークは昨年FDAから認可された肺がん手術支援ロボットですが、大仰なダビンチに比べるとモナークの操作盤はシンプルで、まるでMSのXbox型のコントローラー。シミュレーションもiPad上で動かすことができるとか。

今回の報道は、そのモナークが今回J&J(JNJ)に買収されたという話でした。買収金額は34億ドル。この方面のイノベーションは凄いですね~。株を買うならISRGよりもJNJだなと考え、今年頭にJNJを少し買っていましたが、ちょっと買い増ししたくなってきました(ちなみに私の冠動脈に入っているステントもJNJ製で3本インストール)。