雲母坂

.Travel & Taste

鉱物ならウンモですが、京都の通り名ならキララと読む雲母。京都人の粋を感じますね〜。比叡山へ続く坂の北側には修学院離宮、入り口付近には宮本武蔵と吉岡一門の決闘で有名な一乗寺下り松。なかなか興味深い場所なのですが、市内から少し離れているせいか、人通りはさっぱり(笑)。近くに用事があり、久しぶりに歩いてみました。

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急に冷え込んできました。曼殊院や修学院近辺の紅葉の中には色づくものもちらほら。ちょうど近くに出かける用事があったので、市バス5番を一乗寺下り松で下り、雲母坂へ。

雲母をキララを読むと知ったのはいつの頃だったか。雲母表面が薄膜反射の干渉で虹色に輝くのを「キララ」とした先人の洒落に感心します。とはいっても、この坂がきらきらしているわけではありません。

この坂、京都市中から比叡山へ続く道の1つとなっており、古くは源氏物語にも登場するらしい。いろいろ曰くありげな歴史を引き摺っているようですが、一番有名な故事はやはり、宮本武蔵と吉岡一門の決闘の場所として知られる一条寺下り松の話でしょうか。


しかし、この決闘場所は一乗寺ではなく一条だったとか諸説いろいろ。吉川英治さんらの創作による影響が大きいのでしょうが、ホンマにここだったのかどうか。くだんの場所に佇んでも全くリアリティがありません。

その下り松の交差点の坂を北へ上っていくと途中に漬物屋の穂野出さん、雲母漬のお店があります。

雲母漬というのは小茄子を辛子味噌に漬け込んだもので、なかなか美味しい逸品です。店の前を私は素通りすることができません(笑)。

デパートなどには卸していないと聞いていましたし、ここまで買いに来るのは面倒だと常々思っていたところ、どうも京都高島屋にはあるらしいと最近知り、今度確かめてみようと思っているところです。

さらに坂を道なりに北上すると曼殊院に辿り着きます。紅葉の名所の1つですが、最近は大変混雑するのでなかなか近寄れません。

お薦めはさらに足を伸ばし、北側の関西セミナーハウスを越え、突き当たった川沿いを山側へ上ったところ。まだガイドブックなどには登場しない紅葉の名所です。ただし、クルマでは行けませんので徒歩のみ。曼殊院の喧噪を避けて紅葉にただただ浸りたい向きにはどうぞ。

久しぶりに雲母坂を歩きながら、宮本武蔵本に感動した中学生の頃のこと、京都に初めてやってきた時のこと、結婚式を挙げたのはこの坂の途中にある場所だったこと等々、いろんなことが去来する午後でした。


修学院離宮隣の道を下ると紅葉がどんどん赤くなっていました。既に11月ですが今年は少し早いかも。24日に離宮訪問が当選しているのですが、それまでもつかどうか。