ここにもそこにもアスベスト

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 アスベスト(石綿)。この有害性については私が語るまでもありませんので、知らない人は関係書籍でもチェックして下さい。このアスベスト、たくさんの住宅建材中に含まれています。10年くらい前までは断熱材や防露材、耐火材として広く一般的に使用されていました。したがって、現存する住宅のほとんどは『静かな時限爆弾』で満たされているともいえます。

まず、某企業資料を紹介したサイトをご覧になれば、その使用範囲の広さにびっくりします。 
 
住宅原因のアスベストによる被害を防ぐには、今後建設を行う場合にアスベスト入りの建材を一切使用しないことが肝要です。しかし、現在でもアスベストは建材の中に紛れ込んで使用されています。

まず屋根。カラーベストとかフルベストとか、何とかベストという種類の屋根があります。このベストという用語そのものはアスベストからの転用であることは知る人ぞ知る話で、一昔前のものはすべてアスベスト入りと考えて間違いないと思います。最近ではさすがに減ってきたようですが、無石綿と表示していないものはアスベスト含有の可能性あり。また少量であれば表示義務はなしとばかりに含有しているケースもあるようです。表示基準はなきに等しいからです。『ここが危ない!アスベスト』(緑風出版)によると、クボタや松下電工、大和スレートの屋根にアスベスト入りのものがあるそうですから、要注意です。
 吹きつけ材にもアスベストを入れ耐火や不燃性を高めています。これも製品内容を公開しないような製品は疑ってかかった方が無難です。
 
 私自身、自宅設計を考えるときに屋根と吹きつけ材程度を押さえておけば、まぁ何とかいけるだろうと思っていました。あにはからんか、排水管の防露材として今でもしっかり使われていました。石綿2重管なんてのがそうです。内部配管の結露防止のために使用されていますし、繊維強化なんて書いている製品はだいたいアスベストではないでしょうか。私が見つけた2番目はシンク流し下部の防露材。ここにもアスベスト入りの塗装をしたり、吹きつけを行っている例がまだあるようです。流しに水を溜めると結露するからという理由でしょうが、流し形状を覆うにはプレート型の断熱材ではなかなか難しいという事情があるのでしょうか。
防露、不燃などという特性を謳い、繊維強化なんかの説明つきで無石綿なりアスベストなしとの表示がない製品はすべて疑って下さい。アスベストはここにもそこにもあそこにも存在しています。