食べてうつぬけ

.Books&DVD… .Lowcarboあるいは糖質制限

前回に続いて、うつぬけの本。奥平医師の『マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ』は食事を見直すことでうつから脱出しようという指南書です。この本の特長は血糖値の変動がうつに繋がっているのではないかと考えることで糖質制限の実践指導になっていること。漫画仕立てなので手軽に読めるのもマル。

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マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

最近、糖質制限についていろいろな御利益(ゴリヤク)が報じられています。でも、科学的根拠がなかったり、あっても未だ希薄なものばかり。たとえば、糖質制限をすれば勉強がはかどるというのは一種の期待でしかありませんし、頭がよくなる等というのは誇大広告の類でしょう。

またがん細胞はグルコースを好むから糖質制限をすればがんの進行を遅らせることができるという人がいます。ホンマにそうなら嬉しい限りですが、科学的根拠があるというよりも願望やかすかな期待程度の話にしか過ぎません。

そんな中、血糖値の変動がうつに大きな影響を与えているので食生活を見直し、不足する鉄分やミネラル等を補給すれば改善できるという話が今回の本の内容。これには根拠があるのでしょうか。

内容を簡単にまとめると、「老若男女の不調の多くに鉄欠乏が影響している」、「提案は食事を見直すこと」、「具体的には低糖質食」・・・、というものです。とくに、女性の鉄分欠乏が多いので、そういう人たちのことをテケジョと呼ぶのは初めて知りました。

奥平医師の提案する対応策は糖質制限。ジェットコースターのような血糖値の変動がココロの不調の一因だとし、それを解消するためには、まず糖質の少ない食事にするのが良い、というわけです。食後高血糖を防ぐための、いわゆる糖質制限と違うところは、鉄分や微量栄養素に関する話など栄養学的配慮のバリエーションが豊富にあることでしょう。

うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった (光文社新書)

ちょうど数ヶ月前に藤川徳美さんの『うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった 』(光文社文庫)を読んでいたので、この本の内容はすぅ~~と頭に入りました。藤川さんの本は医学的記載が多いので読みにくい箇所があるかもしれませんが、基本はいっしょ。つまり、「うつの原因の1つは鉄分の不足」。どちらも実践例が豊富にあり、医学的な論文があるかどうかは別にして、試してみる価値ありといって良いのではないでしょうか(医学そのものが経験主義科学だから)。

私自身の経験でいえば、糖質制限を始めて2、3年経過しても血中コレステロール値が芳しくありませんでした。なぜなのかと考え、欧米のレポートや論文を読んでいてわかったのは、摂食する脂質やタンパク質の内容あるいは食物繊維や微量栄養素にもっと注意を払う必要があること。そういう観点でいえば、奥平医師らが指摘する微量栄養素の重要性はさもありなんと思う次第です。

奥平医師の『マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ』、また藤川徳美医師の『うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった 』、どちらもお薦め。とくに糖質制限の内容をさらに深めようと考えている人は是非どうぞ。