プランBあるいはオプションB

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先の湖西線鉄塔倒壊事故で、改めてプランBの必要性について考えてみました。台風の暴風雨による停電で停車を余儀なくされた特急列車。そのまま復旧を待って運行の再開を待つのか、それとも当該列車を諦め別行動を採るのか、その時私だったらどうしただろうかということ。もちろん、各人が置かれた状況によって選択は違いますが、当初案に固執する必要はどこにもありません。問題はプランBの内容とコストや手間です。

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何事も想定通りとは限りません。むしろ当初考えたのとは違う事態になってしまうことも多いはず。そんな時、当初案を諦め別の案を選択することをプランBを選ぶ、あるいはシンプルにプランBと云います。つまり、当初のがプランAで、新たに選ぶ方をプランBと云うわけ(アルファベット順)。当初とは全く違う考え方を採るという意味では、オプションBなんて云い方もあります。

先日22日台風の影響で湖西線が停電し特急サンダーバード号が動かなくなりました。そのまま乗車して運行再開を待つ、これが一番ありそうな選択です。気楽な旅であれば列車の遅れもオツなものなんて考えるかもしれません。つまり現状のままを選ぶ、いわば慣性の法則に従うというわけ。これはプランAの継続です。

ただ、列車が動くまで待つといっても限度があります。1時間程度までなら許容できる人でも1日以上かかるとしたらどうか。今回のサンダーバード号は約1日かかっています。もし予めその遅れが分かれば多くの乗客は何か別の手段を考えるのではないでしょうか。

今回の停電は鉄塔倒壊が原因ですから復旧にどの程度時間がかかるのか簡単にわかるはずもなし。おまけに、乗客にはそんな事態が起きているとは連絡されていませんから、どうもこうも判断しようがなし。状況がわかっていても先読みは難しいのに、状況把握ができなければ尚更です。

当日22日の夕方あるいは翌日朝一番に大事な用事、たとえば仕事の契約とか会社経営に大きく影響する仕事があるとか、どうしても予定通り福井や金沢に戻らないと困る人はどうしたらいいのか。あるいは持病なり健康に問題があって数時間しか余裕がない人はどうしたらいいのか(投薬や透析を数時間以内に開始しなければならない人のことを考えてみて下さい)。もしあなたがそういう立場ならどうしたでしょうか。

理想的には現状把握が第一です。事故が軽微なものかどうか。運行開始までに数十分から1時間程度で済むならオッケイ。でも数時間で復旧する見込みがない場合は列車を降りてタクシーを呼ぶなり、レンタカーを借りるなり別の手段を採らないと先に進めません。

ちなみに大津市から金沢までタクシーを使うと200kmで約7万円!(滋賀県のタクシーは比較的高い)。まぁ高いといえば高いけれど、このコストと手間が問題なしという人なら即そういう行動を執るかもしれません。実際そういう人が今回の事故でもいました。

私ならどうするか。どうしても外せない急ぎの用事があるなら躊躇なくプランBを選びます。別手段の移動方法のコストと手間にもよりますが最悪を考えるからです(原発事故の時にも似たような話をしました)。後でしかわからない話に拘泥するのは私はイヤですし、自然災害だと諦めるのはできることをやってからでいい。

OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び

もっとも私の場合、台風なり面倒な災厄がありそうな場合にはできるだけエアや列車で移動するのを避けるというポリシーなので、プランB以前のプランゼロ。つまり最初から厄介を避ける行動を採用するでしょう(苦笑)。

考えてみると相場もいっしょ。これから株価がどうなるのか私たちにはわかりません。神鋼みたいな日本を代表する大企業が長年インチキをやっていたなんて市井の人が知るはずもなし。日本株だって明日にも大きくドロップするかもしれません。想定外のことが起きれば損切りやむなしと覚悟しておかないと相場ではやられます(ホンマ)。

なんだかんだで、湖西線の鉄塔倒壊からいろんなことを考えました。プランBって日頃から考えていないとなかなか採れないもんだなぁと改めて考える次第です。

右の本はシェリル・サンドバーグさんの「オプションB」、先に紹介した話を整理したもの。想定外のことが起きた時私たちは何を考え、どう対応したらいいのか、そんなヒントがあるかも。