区域外避難

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東電福島第一原発の事故によって福島県外への避難を余儀なくされたのを世間では「自主避難」と称しますが、私に云わせれば、これは差別用語で洗脳用語。実際、この用語に当事者の方々の多くは抵抗を感じ、みずからを「自主避難」ではなく「区域外避難」と呼んでいる、とのこと。あなたがもし避難者の皆さんの気持ちに寄り添うのであれば、「区域外避難」という云い方がベターです。
(お詫び)当初、避難を非難とミススペルしていました。申し訳ありません。
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復興担当大臣が自民党二階派のパーティで「(地震が)東北で良かった」等と発言。大臣の本音がうっかり出たのでしょうが、復興相としては最悪でした。過去に何度も失言や間違いを繰り返し、既にイエローカードが貯まっていたとはいえ、昨日は一発でレッドカード。辞任という結果は当然の帰結です。

ところで、この大臣、先日の記者会見で原発事故からの「自主避難」に言及し、故郷に戻りたくても戻れない人は「本人の責任」とまで言い切った人物でした。これは全くもっておかしい。

説明するまでもなく、原発事故は避難者の責任ではなく国や東電の責任です。いくら除染などと言い張っても事故で飛散した放射性物質は近隣地域に残留し、未だ「放射線管理区域」(注)。そこに戻ってこい、住めという言い分こそ非人道的なマヤカシなのに国や福島県の自治体はお構いなし。その上、危険を感じて避難した人たちに対し、自分勝手に出ていったという雰囲気を作り出すのが「自主避難」という用語じゃないですか!

一億総貧困時代

雨宮処凛さんの『一億総貧困時代』によると、「自主避難」という「用語に当事者の方々の多くは抵抗を感じ、みずからを「自主避難」ではなく「区域外避難」と呼んでいる」とのこと。もともと自主避難というのは、国や県が認めた避難とそうでない人を区別し、後者の人権を貶める差別用語です。

一方で、その差別的な「自主避難」という言葉を当局のスポークスマンよろしく広めているのがNHKや大新聞。この云い方を何度も何度も見聞きすることによって、私たちは県外に避難した人に問題があるかのように洗脳されてしまいます。誰かの思惑通りというわけでしょう。

自主避難という云い方はやめましょう。せめて県内(区域内)かそうでないか、後者なら場所的な分け方である「区域外避難」の方がいい。自戒を込めて私はそう考えます。

原発事故をもう終わったことにしたい国や福島県その他。それに追随する学者や大メディア。愚かな復興相を叩くメディアを見ていると、あんたらも「自主避難」という云い方をやめてよね、と言いたくなってしまった今朝でした。

(注)放射線管理区域とは小出裕章さん(前京大助教)によると以下の通り(出典はこちら)。

私(=小出裕章先生)のような特殊な仕事の人間がどうしても仕事の都合で入らなければいけないような場所。水を飲んではいけない、食べてもいけない。そこで寝てもいけない。タバコを吸ってもいけない。子供を連れ込んではいけない。それが放射線管理区域。