FreeStyleリブレでわかったこと その3

.Lowcarboあるいは糖質制限 FreeStyleリブレ SMBG

FreeStyleリブレ関連の続き。
今回はイタリアンのフルコースディナーでの血糖値変動をFreeStyleリブレで連続的に測ることで、改めて糖質の影響や食事の条件を考えてみようという試みです。

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ほうれん草のフリッタータ(4分の1)

美味しいものが食べられずして何が面白い人生なのか。そんな風に考えるグルマンにとってほとんど糖尿病だと知った時の落胆がいかに大きなものだったか・・・。でも糖質制限ならお肉やお魚はオッケイ、油も問題なしと知った時にはまさに「地獄で仏」の気分になったのを今更のように思い出します。


天然鹿のサラダ

そうはいっても野菜にも糖質あり、その他の食材もそれなりに・・・ですので糖質ゼロは不可能です。でも、正統派のイタリアンとかフレンチってデザートを除けば砂糖はほとんど使いませんし、パスタやパンをできるだけ避ければ和食に比べて糖質は少なめです。


天然鯛と真イカのペンネ

ということで、この4年間トライしてきた経験でいえば、ある条件に注意すれば何とかなる、という感触が掴めました。パンやライス、麺などの糖質関連はできるだけ避け、糖質の多いものを食べるならその前に充分な時間をかけて糖質の少ないモノを食べておく等々。このことをFreeStyleリブレで再確認しようというわけです。

今回紹介するのはイタリアン。場所は京都祇園の縄手筋にある「リストランテ・ディ・カッチャトーリ」、イタリアのアルバ郊外で7年間修行した永田シェフのお料理はまさしくイタリアを感じさせてくれます。イタリア好きな友人もそうだと認めていることから私だけの思い込みではないでしょう(念のため)。


アスパラとパンチェッタのフィットチーネ

その日供されたのは、まずほうれん草のフリッタータ、次の前菜は天然鹿のサラダ。パスタは2品で天然鯛と真イカのペンネとアスパラとパンチェッタのフィットチーネ。見るからに美味しいそうなパスタの登場に量が少なければOKなどと自分を誤魔化します(笑)。


子羊と編み笠茸のエスカロップ

メインは子羊と編み笠茸のエスカロップ。最後はデザートのケーキにコーヒー・紅茶等の飲み物に小菓子というラインアップです。デザートは糖質いっぱい。もちろんパンも出てきますが、これは味見程度でルール厳守。


ちなみにアルコールはロゼのスパークリングと赤のバルベーラ、4人でボトル2本です。さてこれで血糖値の変動は如何? その結果は以下の通り。

12時30分くらいから食べ始めて終わったのが15時少し前。ゆっくりとした会食でした。グラフからわかるように食前血糖値が110前後、ピークはパスタを食べ始めてから1時間くらいで出現し、その値136。この食事ではパスタを2品摂っているし、デザートのケーキもありですから糖質量はどう見積もっても60〜80gはゆうに超えているはず。なのに、ピークが136とはアンビリーバブル!、驚きの結果となりました。

糖質量からするとどう考えてもピークが低すぎます。なぜでしょうか。実は、こういった傾向はこれが初めてではありません。先のフレンチもそうでしたが、行きつけのお寿司屋さんでも2時間値がそれほど上がらないのです。

グラフをもう一度みてみます。ピークは136ですから食前よりも約30程度しか上がっていません。ただ気になるのは食後の変動が長く続いていること。裾野が長くなっているのは前回紹介したフレンチと同じですが、今回はさらに長めの裾野が特長的で、いくつも小さな山を作りながら減衰していく様子が窺えます。

まず1つめのピークが14時15分辺りで136、2つ目が15時20分、3つ目が16時半、4つ目が18時少し前と4つ以上の小さなピークを作りながら血糖値が下がっています。お昼に食事を摂った後は何も食べていないのですから、このユラユラとした変動はお昼の食事に関係しているはずで、それぞれの小ピークは供されたお料理やデザートに紐付けられているのかもしれません。


前回のフレンチ同様、まずアルコールで肝機能を一時的に抑えて血糖値の上昇を防いだこと、次にでてきた一皿一皿のインターバルが開いているため糖質負荷が分散されていること、さらに食事にゆっくり時間をかけたことでインスリンの追加分泌が間に合い上昇を抑え込めたこと等がこの変動を説明してくれるのではないかと考えられます。

また変動の裾野が6時間超と大幅に伸びているのはおそらくアルコール量のせいかもしれません。血中のインスリン濃度やアルコール濃度を測ることができればフーリエ解析か何かで説明することができそうですが、どうでしょうか(面倒ですね)。

いずれにしても、血糖値のピークを抑え込めているのは二重丸。SMBG(自己血糖測定)で2時間値がそれほど高くならないことを掴んでいても、食中にピークが出ているのではないかという心配がずっとありましたが、FreeStyleリブレを使うことで食中でも血糖値が大きく上がらないことが確認でき、非常に安心しました。

でもここで挙げた理由はこちらの推測でしかなく、私個人だけの変動かもしれません。アルコールが飲めるかどうか、肝機能はどうか、インスリンの追加分泌がどの程度期待できるか等で結果は全く違ってくるでしょう。皆さん1人1人の血糖値の変動がどうなっているのかは、やはりご自身で測ってみないとわかりません。FreeStyleリブレの話、まだまだ続きます。