FreeStyleリブレでわかったこと その1

.Lowcarboあるいは糖質制限 FreeStyleリブレ SMBG

先の前振りに続き、本題の2週間のモニタリングで明らかになったことを示していきます。
まずは先に示したQ1)〜Q3)の疑問について。早朝血糖値が80〜90程度なのに、起床後すぐに100〜110に上がってしまったり、糖質10gくらいなら摂っても摂らなくても血糖値の上昇はほとんど変わりなしだったり・・・。これは私だけの話なのでしょうか。FreeStyleリブレの連続測定で何か解明のきっかけが掴めるのかどうか。

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今回得られたFreeStyleリブレの平均データからみると、深夜2時から3時くらいの血糖値が一番低く、それからじわじわと上昇し、起床後からお昼頃まではそのまま下がらず、15時くらいからゆっくりと下がり始めていくという日変動が読み取れます(食事の影響があるので、そのアップ分を大雑把に差し引いて考慮)。

変動を見易くするため縦方向に少し伸ばして示したのが次のグラフです(時刻を上にツケ直しています)。

先に疑問として挙げた「Q1)早朝の血糖値が80〜90前後なのに起床後すぐに100〜110になってしまう」について医学的な原因は横におくとして、2週間のモニタリングから「結果としてはそうなる」のがたしかに窺えます。

糖尿病の人が明け方4時くらいから血糖値が上昇するのを暁現象といいますが(注1)、私の平均データでもそんな傾向が窺えます。起床後に活動を開始するとグルカゴンが増えて肝臓に蓄えたグリコーゲンを分解して血糖値を上げてしまい、これに対抗できるインスリンの分泌が鈍いため結果として10〜20のアップになっているのかもしれません(私はこれを活動モードと称しています)。まぁ原因は何であれ、データは値のアップを示していますから「そういうものだ」と受け取ることにしておきます。

また、血糖値の変動は日中と夜間では様相が違います。スポット測定でも理解しているつもりでしたが、グラフで見ると「やっぱり波打っているなぁ」と納得します。その幅は(血糖値90〜130として)約40くらいはありますから、食事の糖質量が10g程度ならその変動幅の中に埋もれてしまうのも宜なるかな。これが、「Q2)糖質10g程度の朝食をとってもとらなくても血糖値のアップは変わらない」理由でしょうか。

さて、もう一度日変動のグラフを見てみましょう。7時前後、13時前後、それに20時〜21時にあるタンコブのようなアップは食事の影響ですが、これをみて健康な人とさして変わらないじゃないかと思われる人がいるかもしれません。でも、それは全く違います。

健康な人の場合、血糖値は70〜130(あるいは140)の間で変動すると云われています(注2)。数値的にいえば私の血糖値も同じようですが、できるだけ糖質を摂らない食事をしているからこそ、この範囲に収まっているのであって、普通にご飯パン麺等を摂ればスパイク状に上方へ吹っ飛びます(この件は後日別建てで・・・)。繰り返しになりますが、私は血糖値をコントロールするためのインスリンや薬剤は使っていません。食事の糖質量を1日50~60g程度に抑えているだけ。要するに、「糖質制限食をしている限り普通人といっしょ」という江部先生の解説を私の連続データでも確認できたというわけです。

この変動からもわかるように、測定時刻によって血糖値は90〜130くらいの範囲をユラユラ変わります。だから、私の疑問のQ3の「定期健診の血糖値はいつも120前後」は充分あり得る話。とくに明け方から日中にかけて血糖値は上がっていくのですから、どうしても昼間の血糖値は早朝時よりも高めです。110や120を超えてくると、昔の私がそうだったようにあれこれ悩んでしまいますが、(血糖値の平均値的指標である)HbA1cがそれほど高くなければ問題なしということなのでしょう。

そういった解釈や安心感も自分の血糖値の変動をはっきりと掴んだがゆえの話。実際のところ、こういった日変動は既にSMBG(自己血糖測定)で大まかには掴んではいましたが、データがスポット的だったため明快なことは推測の域を超えませんでした。FreeStyleリブレを使って連続的なデータのグラフで見せられると、「なるほどなるほど、やっぱりなぁ」と納得し、ある意味安心する次第です。

追加で一言。上記血糖値の日変動(Glycemic Valiability)は私の変動であって人が変われば様態も異なります。そこのところ、ご用心。次は食事のときの変動について。

ボケももうすぐ

(注1)暁現象の原因についてはいろいろな解釈があり、いまだにはっきりとしていません。早朝のホルモンサージによるものだという米国糖尿病学会の説明を今のところ私は採用しています。
(注2)健康な家人にFreeStyleリブレを使ってもらったところ、私よりもずっと変動幅が少ない結果を得ました。また食事の糖質量に応じてピークが決まるのは糖尿病人と同じですが、そのピークの高さは低く平常値に戻るのも早いため、結果として変動幅は小さく、その差歴然。健康な人が羨ましい。