私のボールペン

.EcoStyle

筆記具話の続き。
ちょっとした書き物をする時の筆記具を万年筆からボールペンに替えたのは20年ちょい前のこと。いろいろ使ってきましたが、なかなか相性が合いません。書ければいいと云ってしまえばオシマイですが、なかなかそう簡単ではありません。ビックのような使い捨てタイプは気楽でいいのですが、指への馴染みが難しく、また使い捨てというのがもう1つ。高級品はぴったりくるのがあっても紛失のおそれありで持ち出すのに億劫。そんなこんなで悩むのは私だけではないはずです。

・・・

万年筆からボールペンに替えた理由は取り扱いが圧倒的にシンプルで楽だから。また、キャップの閉め忘れやインク漏れで衣服が汚れるので常々閉口していました。一方で当時(70年代〜80年代)のボールペンは書き味もう1つ。万年筆のようにスラスラとはいきませんでした。

そんなボールペンですが常用でもいいかなと思ったのは90年代になってからのことでしょうか。いつ頃だったか記憶がはっきりしませんが、いつのまにかボールペンに切り替えていました。

結論からいえば、現在使っているのは三菱鉛筆(注)のジェットストリーム系とモンブラン2本。ジェットストリームの書き易さは私が云うまでもなく、いろんな評価レポートでもダントツだし、売れ行きもかなりのものと聞いています。

最初に使ったモノが使い易かったのですが、ラバーもどきの合成樹脂が2年もするとベタベタしてきたのは閉口でした(カメラでいえばニコンのD70等もいっしょでしたね)。何か上手い対処方法はないのかと考え、裁縫用の革紐を自分の手に馴染むように巻き付けて今でも常用に使い続けています。とにかくジェットストリームの使い易さには得難いものがあり、在庫がなくなったら困るので将来用にと木製軸や他にもいろいろ手に入れています。

一方のモンブランはご存じの通り。ハイソな万年筆やボールペンなどの筆記具だけでなく、1997年にはスイスの時計メーカーを傘下に収めて腕時計も発表し、現在では筆記具というより総合アクセサリーメーカーにまで発展してきました。

私が持っている1本目はマイスターシュティックのローラーボール。1997年米国へTV取材に出かけた帰りの飛行機で購入。ちょうど円高だったのと免税扱いとで随分安く買えたのがラッキーでした。赤インクにして原稿のチェック校正用に使っていましたが、最近はその手の文章書きをしないのでほとんど触っていません。

もう1つのモンブランはスターウォーカーのボールペン。2003年発表のモデルですが、トップのシンボルマークが宙に浮いているような細工が面白い逸品です。これは狭心症から生還した時の記念として2006年暮れにゲット。これには太字芯を入れ、特別なアイデアを練る時、襟を正してサインする必要がある時に持ち出します(笑)。

ところで、これらモンブランの現在の価格をみるとビックリ。私が買った時に比べて2倍、3倍にもなっています。ここ20年以上デフレだった日本とドイツとの経済の差がここにも現れているのでしょうが、今ならとてもじゃないけど手が出せません(残念)。といいつつ、これらは先の#3776同様で、修理して数十年、いや一生涯あるいは世代を超えて使い続けるようなモノかもしれず、現世の値段をぐだぐだ云うのは粋じゃないというべきところかもしれません。

書き物をしている時に指先からペンまでが一体化し、体の一部であるかのような錯覚を覚えることが一度ならずあります。不思議な話ですが、ある種の思い込みなのでしょうが、そうした時のペンが1本でもあれば幸せなことではないでしょうか。

以上、私の常用、及び特別な時のための筆記具です。自分史の整理でした。

(注)三菱鉛筆は軍需産業・原発企業の三菱重工等とは無関係。