まごわやさし

.Books&DVD… .Lowcarboあるいは糖質制限

「まごわやさしい」といっても孫のことではありません。普通は健康な食事の代表例のように使います。でも、低炭水化物食(糖質制限)な者にとっては「まごわやさし」。つまり、最後の「い」を抜けばかなり使い勝手の良いマントラ。

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まごわやさしい。念のために並べると、まず「ま」は豆で、豆腐等も含めた大豆製品。「ご」はごま類。「わ」はワカメ等の海藻類。「や」は野菜、「さ」は魚、「し」は椎茸などの茸類、「い」は芋となっています。

低炭水化物食(糖質制限)で日々暮らす者にとっては最後の芋は糖質が多いので、少しならともかく、原則的には避けるのがベターです。ということで、「まごわやさし」で「い」抜き。このことだけを注意しておけば、巷のレシピブックは結構役に立つはず。

奥薗流・まごわやさしい健康料理ここで紹介するのは奥園壽子さんの『奥園流・まごわやさしい健康料理』(文化出版局)。副題がいいことづくめの113品(注)。

奥園さんはテレビでよく出ているのでご存じの方も多いでしょう。食材と調味料を袋の中にいっしょに入れてモミモミする調理方法が印象的な料理研究者。使う食材も普通に手に入るものがほとんどで、御本人のスタンスがよくわかり二重丸。右の本はその人が紹介する「まごわやさしい」料理の数々です。

ただし、低炭水化物食の者をこれを少しばかり読み替えなければなりません。砂糖はエリスリトールに替え、調味料は砂糖を使わない・使っても少ないものを選び、粉類はでんぷん質の少ないものにする、そんなところでしょうか。

まず大豆製品は糖質制限者にとっては必須食材。大豆には約3%、豆腐には約2%の炭水化物が含まれますが、お米替わりに食べることを考慮すると大豆類なしで済ますわけにはいきません。


食物繊維も大切です。水溶性や不溶性いろいろありますが、どちらも体内の消化吸収に密接に関係します。とくに血糖値の上昇を幾分でも抑えようと日々努力している者にとっては食物繊維豊富な食事は欠かせないものでしょう。

たんぱく質の摂食に関しては、お肉やお魚が欠かせません。奥園本で面白いのは魚はちりめんじゃことサバ缶を使っていること。曰く、毎日新鮮なものが手に入るわけではない、生臭さや下ごしらえが大変等々を考慮したとのこと。この割り切りが素晴らしい。

とにかく、「まごわやさし」(い抜きです、念のため)な食材は是非とも日常的に摂りたいところ。問題はそれを如何にして料理に仕立て上げるか。そういう意味で、奥園本のようにアイデア満載な本は有益です。私は、あぁそんな使い方ができるのか、なるほど今晩は試してみようかなとかそんな感じで読んでいます。だって自分の生活時間のうち食材調達から始まり、下ごしらえや調理、それにお楽しみな食事の時間、それらの占める割合はかなりのものですから、そこを外したら人生を無駄にするようなものですからね。

私があれこれ云うまでもなく、それぞれの家庭ではいろいろなアイデアやお気に入りのレシピがあると思います。でも、ときどきレシピブックをめくるとなかなか面白いのではないでしょうか。クックパッドもいいけれど、点々のようなレシピ群ではなく、書き手の信条や拘りが滲むような、まとまったレシピ本も時々どうぞ。

(注)上記本は炭水化物に注意したものではありません。普通の料理本は低炭水化物食(糖質制限)を行う者にとっては使い方注意。でも、食材毎の糖質量を事前に把握しておけば、奥園さんのレシピは比較的使い易い。