世界最高齢者は糖質制限でケトジェニック

.Lowcarboあるいは糖質制限

ギネス世界記録によると、世界最高齢者はイタリアのエマ・モラノさん、現在117歳(出典はSmartFlashの記事 2017/1/11)。どうやら食事が卵や肉食中心のケトジェニックダイエット、つまり厳格な糖質制限のようです。

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記事はSmartFlash 2017/1/11 より

出典記事によると、「モラノさんはほとんど野菜を口にすることはなく、あとはパスタと、ハムやひき肉といった肉だけを90年以上食べて続けてきた」とのこと。医者によれば健康状態に大きな問題はないらしい。記事にもあるように、これはケトジェニックダイエット(ダイエットとは食事方法という意味です、念のため)。

記事では「常識はずれ」とか「一見偏っている」とか書かれています。でも、それは間違った栄養学に世間が支配されている証拠。たとえば、既に紹介した御年106歳の聖路加病院の日野原先生も糖質制限ですが、彼らは「常識はずれ」なんでしょうか。違うでしょう? (日野原さんは野菜も食べます)

ケトジェニックとはケトン体をエネルギー源として使う方法で、通常のグルコース(ブドウ糖)だけをエネルギー源にするのではありません。血中ケトンが増えてくると、人体はそれもエネルギー源として使えることに着目したものです(注1)。そのためにはブドウ糖(糖質)を含む食事をできるだけ避けることになりますから、いわゆる糖質制限となります。

私自身の測定では1日60g程度の糖質制限(江部医師の提唱するスーパー糖質制限)ではなかなかケトジェニックにはなりにくい(ケトン値がそれほど上がらない)。日本でケトジェニックを推奨している斉藤糧三医師や南雲吉則医師などによると、1日40〜50gの糖質制限だと知り、いろいろ試した結果、スーパー糖質制限をより厳しくしたら血中ケトン体が増えてくる感触を掴んでいます(注2)。

ところで、前にも紹介した通りサッカーの長友選手が90分間走り続けるスタミナを得るために行っている食事がこのケトジェニックダイエット。そんなんでバテないのかと疑うあなたは古い&間違った栄養学に染まっています。

激しい運動をするスポーツ選手がカーボローディングと称して競技前に山ほど炭水化物を摂食することがありますが、肝臓ほか体内に蓄えられるブドウ糖には限界があるので、長時間の競技にはあまり意味がありません。間違った栄養学を信奉するマラソン選手が途中でパワー切れになるのは当たり前といえば当たり前。

いまだに世間一般ではモラノさんのような食事が「常識はずれ」とされたり、長友さんの話が外道話になるみたいですが、非科学的なのはどちらでしょうか。私はこの方面の学者じゃないので責任なしで云わせてもらうと、カロリー主義とかバランス良い食事などという科学的根拠のない話を信じていたら、あなたの寿命は延ばせないでしょうね、きっと。

(注1)いまだに「脳はブドウ糖しかエネルギー源として使えない」という間違った見解を云う学者や栄養士さんが大勢いますが、ここ数十年で生理学や栄養学が大きく変化していることを知らないのでしょうか。自分らの不勉強で科学的見解を混乱させないでほしいものです。

(注2)個人でも血中ケトンを測定するのは簡単です。でもセンサーストリップが国内価格で1枚500円程度と高くちょっと手が出しにくい。私は個人輸入で海外から買いましたが、それでも1枚300円程度ですからホイホイ測るわけにはいきません。