2017年のお正月 伊勢丹の英断?

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最近は元旦からいろんなお店が開いているため、昔の正月の長閑な雰囲気がありません。店を開けなければならない人たちからすれば厄介です。そんな中、三越伊勢丹が今年から初売りを3日にずらしたのはなかなかだなぁと思っていたら、来年からは三が日すべてを休みにすることを検討しているとのこと。決定なら英断。私は拍手します。

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京都のデパートは2日が初売り。大阪の梅田阪急では開店前に7000人が並んだとのことですが、京都はどうだったのでしょうか。私たち夫婦が出かけたのは3日だったので様子がわかりませんが、数年前に出かけた印象では結構行列ができていて二度と行かんゾと思った位です(苦笑)。

そのデパート、昔なら大きな面積を占めていた呉服や家具売り場は縮小され、ほとんど店貸し状態。そこに入ったブランド店はどこのデパートでも同じなので若干の品揃えの相違はあるにしろ、各デパートの特徴があまり見えてきません。

アパレルにしてもユニクロやシマムラ等もあるし、ネット通販でも買い物ができる世の中ですから、街のデパートだけに固執する必要はありません。そういったこともあるのか、昔に比べるとデパートの入りは随分少なくなりました。でも、何年も前から初売りだけは期日が早まり2日からという状況となっていました。


そこに一石を投じたのは三越伊勢丹です。三越伊勢丹は今年の初売りを3日からにしました(注)。もともと三越伊勢丹は冬のバーゲンも他のデパートには合わせず、年越の1月中旬から開始というズラシな設定を行っていましたが、ここに来て初売りの期日も独自路線を採ることにしたみたい。今年は3日、(組合が納得すれば)来年は4日以降という話になってきました。

出典は朝日新聞デジタル 2017/1/3

狙いは「正月の休日を増やし、従業員の働く環境に配慮する」ことらしい。社長曰く、「三が日に休めれば、地方出身の従業員は正月に帰省することができる」とのこと。

そのまま読めば従業員に配慮した立派な方針転換ですが、むしろ他店との違いを明確にした方がビジネス上はプラスが多い、あるいは正月に店を開けなくてもデメリットは少ないという経営判断があるのではないでしょうか。

初売りが2日なら1日以前に開店準備をしなければならず、いくら元旦が休日でもお店の人には実質的な休みはありません。そんなことを馴染みの店のスタッフがぼやいていました。そうでなくても、年から年中休みがないというのはあまりに忙しすぎ。お正月休みは昔のようにどこの店も開いていないというのが長閑で人間的だと私は考えます。

そういう観点からすると、今回の三越伊勢丹の動きは大歓迎。買い物が原則一割引というのに惹かれて私は三越伊勢丹の株を少し持っていますが、株主としても鼻が高い(笑)。世の中全体、もっともっとスローダウンするのがベターだと思う次第です。

注)京都の伊勢丹デパートは他店と横並びの2日。こちらはJR西が資本参加をしているせいで伊勢丹本店の思惑とは外れてしまったのでしょう。