噴水でクリプト感染 

Water

 さっき電子メールで届いた米国防疫センター(CDC)のレポートMMWR(October 16, 1998 / Vol. 47 / No. 40)最新号によると、今年の夏米国ミネソタ州の動物園の噴水によってクリプトスポリジウム症になった事例が紹介されていました。

話はこうです。6月29日ミネソタ動物園で行われた誕生パーティに参加していた10人の子どものうち4人に胃腸炎が発生。その親たちがミネソタ衛生部に連絡。当局がその他の入場者について調べてみると、他にも同様の症状があることがわかりました。共通点は動物園の噴水で遊んでいたこと。また調査対象とされた10人のうち9人の便からクリプトスポリジウムのオーシストが検出されました。このうち、2人の親は既に便サンプルを医院に届け調べてもらっていたのですが、陰性と報告され見落とされていたそうです。
 7月11日噴水は閉鎖。衛生当局は動物園訪問者で下痢等の症状が出た人は医者や衛生部に連絡するように広報。さらに、そういった症状が出た子は、回復後少なくとも2週間はプール等に行かないことを要求しています。
問題の噴水ですが、水は園内排水を砂ろ過、塩素消毒し再利用したもの。その水は月曜日、水曜に、金曜にに入れ換えられていましたが、砂ろ過池の洗浄は行っていませんでした。7月14日に分析した結果ではクリプトが見つからず、噴水への感染源もわかっていませんが、近隣の動物からはクリプトが見つからなかったため、噴水で遊んでいたおむつの子からの汚染が疑われています。
  * * *
(コメント)
日本でもありそうな事例です。親水性とか何とか云って感染源になってしまったら大変だと常々思っていましたが、こういう事件はやはり起るんですね。また、水の再利用とか何とか言って、動物園内の排水を活用している所があると記憶していますが、こういった日和見感染源となりうることに注意を払ってほしい。そして、免疫能の低い幼児や年配者、関連疾病の方は、そういった場所が自分にとっての危険場所であることを知っておかないと大変なことになります。