LEDの保証

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パナソニックが2016年12月からLED電球に保証期間をつけるようになりました。長寿命だ、半永久的等と宣伝されてきましたが、それは売り文句。そういう中でパナソニックは一応5年という期限を設けたのです。他のメーカーに先駆けての英断に拍手と云いたいところですが、一方でやはりなぁという印象です。

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今回パナソニックが打ち出した保証とは以下の通り

パナソニック株式会社 エコソリューションズ社は、 お客様が安心してLED電球を購入、使用できるように、2016年12月から新たに、保証制度を導入します※1。具体的には、対象製品を購入した日※2から5年間※3、不点灯などの故障※4があった場合は、無料で代替品※5と交換※6します。故障品の交換※6は、2016年12月1日より新設するLED電球専用窓口(ウェブ・フリーダイヤル)や、購入した販売店※7にて受付します。

なぜ5年なのかがわかりませんが、24時間365日使うとすると5年で43,800時間になりますから、定格寿命を4万時間とほぼ同じ。案外そんな計算から5年にしたのかもしれません。でも、そんなハードな使い方をする人はいったいどれほどいるんでしょうか。

それにしても今まで定格寿命だけしか表示しなかったLED電球に5年の交換可能年限を設けたのは素晴らしい。さすが電球で財をなし大きくなったパナソニック(旧松下電器)というメーカーの矜持というべきところでしょう。まず拍手です。

LED電球の寿命は必ずしも宣伝文句通りではありません。拙宅にある50灯前後のLED電球のうち既に2つがダメになりました。4年目くらいの故障だったので、今回のパナ基準なら交換可能です(ただし、拙宅でダメになったのは別メーカー製)。

拙宅では2011年の3.11以前から電灯のLED化を開始、3.11直後にほとんどの電灯をLEDに替えました。その総数、大小合わせて50灯ですが、この4年の間に2つの電灯が早々とダメになったのです。見かけはキレイなのに灯りが点かなくなったもの、焼けたように変色したものがそれです。(2015/02/08

LED電球の定格寿命は40000時間ですから、1日8時間使うとすると1年で3000時間弱。4年で使えなくなるのは定格性能以下だったということになります。なぜそんなに短かったのでしょうか。

当時考えたのは以下の通り。

・・・定格寿命が4万時間というのは平均寿命であって統計的には1万時間のもあれば6万時間の長寿命があってもあり得ない話ではありません。データ分布が公表されていないので正確な話はわかりませんが、製品分散が大きければ1万時間のものでも有りそうです(だからといって保ちの悪さを納得するわけではありません)。

つまり定格寿命といってもバラツキがあり、平均的には4万時間でも個々の製品がどうかは使ってみないとわからないということ。メーカーがウソツキをついていわけではないと私は考えます。でも、あまりに早く転けてしまったLED電球にはクレームが出てくるのは当然です。

ところで、メーカーの定格寿命に噛みついたのがダイソンさん。

「私は日本の家電量販店に出かけていき、たくさんの製品を見てきた。確かに安くて高寿命を謳う製品がたくさん並んでいるが、それらが本当に10年持つの かは疑問だ。我々が調査したところでは、そんな製品は1つもない。十分に強い光は出ていないし、4万時間も持たないだろう。(ジェイク・ダイソン インタビューより) LED電球の未来に掲載

彼曰く、「既存のLED電球は接合部が130℃以上に発熱し、それが性能を損ない寿命を短くする」とのこと。拙宅でダメになったLED電球も接合部が変色していましたら彼の言い分は有りそうだなぁ。パナの5年保証を「やはりなぁ」と思ったのはそういうわけです。

ダイソンさんの意見を読んだ後、「あまりにも早く使えなくなったLEDは不良品なわけですから新品交換か何かで対処して欲しい」と期待を込めて書きましたが、今回のパナソニックの動きは見事にそれに応えたことになり、マルです。

いずれにしてもLED電球にも寿命あり、そう考えておいた方がいい。現段階では5年保証をつけたパナソニックの製品が一押し。今後他のメーカーが追随するのかどうか。パナ以上の保証をつけるメーカーが出てくれば尚素晴らしい。