ローカーボ食(糖質制限)で5年目へ

.Lowcarboあるいは糖質制限

2012年11月から始めた私の低炭水化物食(いわゆる糖質制限)、早くも4年経過で5年目に。この間の経緯については既にお知らせした通り。
最近はNHKでも血糖値スパイクを放送するようになったため、これまでカロリー制限を勧めてきた医者や栄養士さんらの中には方針転換を図る人たちもちらほら。糖質制限は危険だと今でも抗弁するのは頑固で不勉強な者だけ。そんな雑音は横に置き、4年間の私のデータを振り返ってみましょう。

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最初に私の早朝血糖値の変化から示します。この4年間うっかり忘れた日も数日ありますが、毎日の日課はSMBG(自己血糖測定)から始まります。朝の血糖値がそれほど高くなくて便通が良い日は何かしら気分がいいのは小市民的ですね(苦笑)。まず4年間の早朝血糖値のスッピンのデータでみると、60位から130を超えるような値までいろいろで、だいたい80〜110で推移しています。

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血糖値は前日の食事やその時の体調、あるいは心理状態に影響を受けますから、日々のデータだけを見ていると大きな変化を掴むのはなかなか難しい。何か特定の傾向があるのかどうか、それを調べるために上図の4年間のデータを30日間移動平均で見たのが以下の図で、赤線がその平均値の推移です。

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これを見ると、夏季の7月8月に高くなる傾向があること、とくに昨年2015年はそれが顕著だったことがわかります。夏季に血糖値が高くなるのは既に書いた通りで、おそらく夜間の高気温で発汗があること、また測定器の温度補正がうまくできていないせいではないかと私は睨んでいます。でも、昨年はちょっと高すぎでした。

考えられる理由は昨年の春先からお昼に多めの炭水化物を摂ったこと。糖質制限3年目で実験的にあれこれ試した結果がどうやら血糖値の上昇に繋がったようです。やはり緩やかな糖質制限は私にとってはヤバイ。その後気を引き締め、糖質量を大きく減らし油脂関係を見直したら元に戻りました。現在は糖質量で1日60gを超えないような食事を摂っているため早朝血糖値は90〜100前後で推移しています。

以上のようにローカーボ食で血糖値は抑え気味にできます。でも、炭水化物を多めに摂れば私の血糖値は一気に上がりスパイク状態になってしまうのはこの4年間相変わらず。何度も実験と称してご飯を食べてみましたが、そのままではアウトになってしまいました。

唯一わかったことは、お魚やお肉をゆっくり時間をかけて食べた後にご飯を食べるのであれば血糖値のスパイクは避けられるみたい。おかげでお寿司屋さんで1時間くらいツマんだ後に小さめのニギリを7,8貫食べても120以下の血糖値なので安心しています(笑)。これもまたSMBGでこまめに測っているからこそわかる話。ただ個人差がありますから誰でもそうだとは云えないことをご理解下さい。

さて、早朝の血糖値が抑え気味なのはオッケイですが生活全体でみるとどうなのか。10年前にひどい狭心症を患ってステントを入れてもらってから3ヶ月に一度健診で血液検査を行っています。その際測っているHbA1cは以下の通り。血液のヘモグロビンは2〜3ヶ月で入れ替わるので、そのヘモグロビンと反応した血糖の指標であるHbA1cをみれば数ヶ月単位で糖質制限のパフォーマンスがわかるというわけ。

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これをみると2006年11月に心臓の冠動脈にカテーテルでステントを入れてから食事には気をつけていたのにHbA1cは糖尿病の境界領域をウロウロしており、カロリー制限では根本原因を解消できていないことを窺わせます。そして2011年秋頃からHbA1cは正常上限を突破し事態は悪化していきました(注1)。食後血糖値のスパイクに気付いて糖質制限を始めたのは、ちょうどこの頃で2012年11月のことです。

糖質制限を始めるとHbA1cは一気に下がり正常域へ入っています。HbA1cで5.8というのは平均血糖値120(推定)ということ(注2)。糖質を摂らなければ血糖値スパイクも起こりませんし、血糖値は下がって当たり前だということがこの例からも明らか。また昨年少し騰がり気味だったのは先ほど述べたように「実験」と称して糖質を多めに摂ったせいでしょう。膵臓機能がヘタってきた者にとって糖質はやはり厳重注意です。

また脂質の10年間のデータは以下の通り。中性脂肪(TG、トリグリセリド)は日々の食事で変動しますから飛び跳ねていますが、糖質制限以前と以後では値の傾向が違います。

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実のところ、狭心症を治療した2006年以降カロリー抑え気味の食事にしていたのに値は改善せず中性脂肪(TG)は高め。ところが糖質制限以降は低めになってきました。一方、HDLコレステロールは次第に大きめに推移しています。

HDLを善玉コレステロール、LDLを悪玉コレステロールなどと称する従来の議論は怪しいものがあり、糖質制限のエヴァンジェリストである江部先生(京都高雄病院)曰く、「HDLコレステロールが多く中性脂肪が少ない人は小粒子LDLコレステロールと酸化LDLコレステロールは少ないので安全」とのこと。糖質制限前後での私のデータは、以前よりマシな方向への推移を示しているともいえましょう。

ということで、
私のローカーボ食(いわゆる糖質制限)はこの11月から5年目に入りました。上記データでもわかるように、血液データは次第に良くなっています。糖質制限さまさまです。ちなみに現在の体重は56kg+-0.5kg、皮下脂肪分解でもう少し落ちるような感じです。

最近はNHKでも血糖値スパイクが話題になるほど状況は変わってきましたが、番組内のコメントは相変わらずトンチンカン。肝心なことは、血糖値を上げるのは糖質(炭水化物 – 食物繊維)のみということ。糖尿病の人や糖尿病もどきな人にとって大切なことは誰が本当のことを伝えているのか、要するにあなたの味方は誰なのか、それを見抜くことではないでしょうか。

(注1) HbA1c(NGSP)は4.6〜6.2が正常とされています。でもこの基準は食後血糖値のスパイクを考慮していないのではないでしょうか。ちなみに私は正常上限のHbA1cの6.2前後でしたが2006年に心筋梗塞一歩手前の狭心症を発症。あやうく死にかけました。要注意。
(注2) 推定HbA1c = (平均血糖値+ 46.7) ÷ 28.7 という計算式があり、この式から平均血糖値を計算。