危機感なき社会?

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先月21日鳥取で地震が起きた、ちょうどその時私は滋賀県大津で映画鑑賞中。グラグラ揺れたんで慌てて劇場を飛び出しましたが、出てきたのはわずか数人。結局場所が離れていること、余震に注意ということで劇場内へ。後で思うに、非常時の対応に大きな問題があるような気がしてなりません。

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観ていた映画は「ジェイソン・ボーン」。記憶を消され人間暗殺兵器に仕立てられた主人公が古巣のCIAが企てる新たな暗殺計画阻止に挑むというお話です。その映画の上映が始まって間もない頃、主人公が乗った車がガタゴト道を移動するシーンで座席もグラグラし始めました。なんやこれ。

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最近の映画館はこんな演出までするんかいなぁ〜と思いきや、何かおかしい。やはり地震のようです。こりゃアカン、早く外へ出なくちゃヤバイぞということで劇場外へ。重いドアを開けてフロアに出たのですが、驚いたことに出たのはわずか3人のみ。他の部屋から出てきた人も少ないのです。みんな大丈夫なんかぁ?

フロアには映画館の係員が数人いて、携帯やトランシーバーで情報収集中でした。観客の1人がスマホで地震は鳥取付近だと調べ上げたので、震源は鳥取付近で大津から離れていることが判明。また係員によると映画館が入っているビルには影響がなかったこともわかり、余震については不明だが慎重に様子を見ておくこと等々を確認し合い、劇場内へ戻りました。

映画館は地震で映画を止めませんでした。だから私は外へ出ていた5分強の部分を見落としてしまいました。残念といえば残念ですが命には代えられません。

それにしても、地震でもそのまま映画鑑賞を続ける人がほとんどだったのがなんか気になります。もし近くで地震で起きていて、上映場所のビル倒壊まで拡大するような事態だったらどないなったことでしょう。間違いなく大勢の人が亡くなったはずです。逃げ出さなかった人はそんなことを考えなかったのか。

新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている以前にも触れたかもしれませんが、防災システム研究所所長の山村武彦さんの著書に『人は皆「自分だけは死なない」と思っている』というのがあります。地震などの災害に遭遇してもほとんどの人がうまく対応できない理由を事細かに指摘し、対処策を探った良書です。

先に取り上げた映画館の例もまさしく同じ。地震が起きても映画を見続けた人はおそらく自分は大丈夫、問題なしと判断したのでしょう。でもそれはその場逃れで根拠なし。もし大惨事だったら真っ先に死亡リストに入ってしまうでしょう。

まぁかくいう私も映画を見続けるか飛び出すか、ほんのわずか迷ったのは事実で、あまり大口は叩けないことを白状しておきましょう。だからこそ深く反省し、ここに記す次第です。


帰宅すると自宅の振り子時計は地震発生時で止まったまま。M6.6の本震が2016年10月21日14時7分、若干針が進んでいるのが愛敬ですが、これもまた備忘のために残しておきましょう。

tokei1021