オーディオ試行錯誤

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前回書いた拙宅BOSEのデジタル化。最終形はAirMacExpressをプリアンプ代わりのサウンドデバイスにしましたが、最初からそんなスマートなことができたわけではありません。というか、本を読んだ時にはホンマにできるんか~と半信半疑。それから、あ~でもないこ~でもないと試行錯誤しながら辿り着いた結果です。備忘録を兼ね、試行錯誤の最初からまとめておきましょう。

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jvcnxsa55先月CDプレーヤーがうまく動かなくなった時、まず考えたのはCDラジオのBluetoothを使って音を出そう、ということでした。その時使っていたJVCのNX-SA55というCDラジオは無線のBluetoothが使えたので、CDをMac経由でデータ化した上でiPod化した元iPhone4から流し込むことにしたわけです。

ところがこの青歯さん、拙宅の場合ノイズ多いわ時々途切れるわで使い物になりません。流しても青歯さんの伝送圧縮方式ではCD音質より劣ります。こりゃアカンなぁ。


step1じゃ有線で入れたらどうか。オーディオ機器にはだいたいAUXというのがついていますが、あれを使う方法です。これは上手くいきました(当たり前か)。問題は音量です。iPhoneの出力はイヤホンを前提にしているのでボリュームをかなり上げないと使えません。これでは機器ヘの負担が大きく面白くない。

また、この時気付いたのはNX-SA55のAUX入力の音質がもう1つなこと。それならダメ元と古いBOSEのCDラジオを引っ張りだし、そのAUXへ切り替えると随分音がいい。BOSEが高い値段をつけているのもまぁ宜なるかな、ですなぁ。ほんじゃ音出しはBOSEにしよう、と考えました。


step2次に行ったのは音量アップ。本格的なアンプを入れるのも何だし、iPhone4とBOSEのAUX入力との間にポータブルアンプ(ポタアン)を入れることにしました。ポタアンはiPhone等の携帯機器をヘッドフォンやイヤホンで楽しんでいる人が使う装置ですが、音量を上げると低音が豊かになり高音がクリアになるからです(音響心理学の理屈です、念のため)。

調べてみると現在出回っているポタアンには大きく2つの種類があり、シンプルにアナログ音量を増幅するものと、デジタルデータをアナログに変換(DAC)してから増幅するものがあります。私の場合、イヤホン端子の音量を上げたいから前者を選択。このポタアンのおかげでBOSEからのサウンドは音量を絞れるようになりマル。これで一応サウンドらしきモノは出るようになったので一段落。

ただ、これではBOSEとポタアンのごく近くにサウンドソースであるiPhoneを置きっ放しにしなければなりません。これじゃ選曲や切替の際に不便ですし、他のソースからの音楽は楽しめません。


ここで先に紹介した中村本の紹介を試す段階となりました。中村さん曰く、サウンドデバイスはAirMacExpressで代替できる、そうすればネットからの音楽もパソコンの音楽もはたまたNASに蓄えた音楽もスピーカーで鳴らすことができるとのこと(NASに関してはまた後で)。

えっ、AirMacExpressってローカルネットのルーター(AP)じゃないの? なぜオーディオに使えるのか?というのが第一印象。でも調べてみると、この機器には簡易なDACやオーディオ出力端子などサウンドを中継するための仕組みが仕込まれており、アップル自身オーディオ方面への活用方法を紹介しています。また、この機能はコアなオーディオマニアの間でごくごく当たり前な知識として出回っていることもわかりました。私の勉強不足というか、この方面に関心が薄いせいでAppleの巧みな技術展開を見過ごしていました(笑)。

ということで、拙宅ではAirMacExpressをBOSEの頭に設置することでネットからの音楽も手元のMac、iPhoneやNASに蓄えた楽曲もすべて鳴らすことができるようになりました。ポタアンは回り道でしたが、システムがまとまればまぁそれも一興。もう一度先の模式図を下に示しておきます。

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ここで右上のNASというのはNetwork Attached Storageのこと。ローカルなネットワークに付設したストレージサーバーはこれ自体がパソコンみたいなものですから単なるバックアップ装置とは違ってパーソナルクラウドとして活用できます(何を云っているのかわらない人はそんなものかと読み流して下さい)。

このNAS、ここ数年オーディオマニアの間では既にミュージックサーバーとして活用されているようで、ネットで検索すると山ほど参考例や構成方法の解説がでてきます。拙宅では夫婦それぞれのMacなどパソコンのバックアップに留まらず、パーソナルなクラウドステーションとして使っていましたが、今回のオーディオ環境の構築にも活用することにしました。

簡単にいえば、NASにミュージックサーバーの機能をもたせたのです(正確にいえばiTunesサーバーを構築)。これが意外と簡単。というのも私が使っているSynology製NASはこの方面でも先進的で詳細なマニュアルがあり、そのせいかBOSEなど大手メーカーではSynology製NASでのミュージックサーバー構築方法まで解説している位です(注)。

とりあえず手元のCD40枚ほどをALAC(アップルノンレス)方式でNASに保存し、WiFi環境で音楽を聴くことができるようになりました。それにしても自宅にミュージックサーバーを作るなんて10年前には考えられなかったことで内心驚いている次第。時代は変わる、というか私が歳とったということかも(苦笑)。

注)BOSEの日本語マニュアルには登場しません。知りたい人は英語のFAQをご覧下さい。