傲慢はどちら?

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ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディランArrogantとは英語でいうところの「傲慢な」、です。そのアロガント、ずっと以前に本サイトで某CMを取り上げたことがあります。その中で欧米人とイスラム系人とがボブ・ディランのことで言い争うのですが、ベースはディランの歌が宗教対立を超えた価値を持つことにありました。そのディラン絡みでまたアロガントというセリフを聞くことになりましたが、口にしたのはノーベルアカデミー。ホンマに彼らは上から目線ですな。

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以前取り上げたコマシャルとはソニーのもので、その時の私の感想は以下の通り(全文です)。

戦争反対のコマーシャル  2003/01/02

びっくりしました。ホンマに驚きました。昨晩ビデオ録画していた欽ちゃんの仮装大賞を見ていると、最後のあたりで出てきたコマーシャルに、です。向かい合う二人、反戦集会行ったか?ボブディランのコンサート行ったか?行った行った。ここまではいい。それから米国人と思しき方がボブディランは国の宝だというので、片方のイスラム系の方がいや世界の宝だと応酬。米国人は引き下がらない、イスラム系はそれをアロガント!となじる。これって完全に米国のイラク攻撃反対コマーシャルじゃないですか。やるな、ソニー。こそっとこれを潜ませた所がニクイ。

9.11は2001年の出来事ですから、それを受けての上記コマーシャルであることは云うまでもく、その戦争反対表明の下敷きになっているのはディランの存在です。それくらいディランとは反戦的なシンボルだということ。だから先日の私の話になるわけです。

今回のアロガントはノーベル賞のメンバーから。ディランさんのサイトからノーベル賞受賞の記述が削除されたことについてノーベル選考委員会委員長が「ある人はいうだろう。無礼かつ傲慢(アロガント)。一体何様のつもりなんだ」とコメントしたそうな。ある人がいうなんて言い草は自分がそう言いたいという意味でしょうから、卑怯な云い方ですね。

せっかく賞を与えたのだからもらって当然、という気持ちが見え見え。まさに上から目線そのまんま。どっちが何様のつもりなんだ、傲慢(アロガント)なのはノーベル賞選考委員会の方じゃないですか。

その人が納得できなければ受賞の辞退だっていいじゃないですか。権威を剥き出しにした押し付けなんかご勘弁、とディランは思っているのかもしれません。それを無礼だとか傲慢だ等というノーベル側のさもしさがもろ際立ってきますな。そういえば、サルトルはノーベル賞を辞退していますがディランもそうだとすると、私は大拍手。あなたもそう思いませんか?

時代は変る