ディランの行方

.opinion

今年のノーベル文学賞に歌手のボブ・ディランが決まったというニュースはご存じの通り。へぇ〜と驚くとともにホンマに貰うんかいな〜と思っていたら、案の定本人に連絡がとれなくなっているとのこと。ノーベルアカデミーが昨日受賞連絡を断念との話まで出ています。もし受賞拒否なら面白いなぁ。

・・・

The Real Royal Albert Hall 196ボブ・ディラン。1941年ミネソタ州生まれ。「Browin’ in the wind」(風にふかれて)をはじめ、反戦反体制の旗手のように云われていますが、本人は勝手に解釈されて辟易していたとのこと。要するに、歌いたいものを歌うということだったのでしょう。

本サイトでは時折ディランに触れてきましたが、それは私自身高校生の頃彼の歌に触発されたり考えさせられたりしてきたからです。

たとえば「風に吹かれて」はよく知られた曲ですが、その中の一節に

♪ how many times must the cannon balls fly Before they’re forever banned? ♪
(どれだけ大砲の弾が飛んだら 彼らは永遠に戦争を止めるのか? )

という歌詞があります。私が聞いたのはヴェトナム戦争が泥沼化していた1970年初めの頃。歌でそういう反戦メッセージを発するという彼の姿勢に共感を覚えたのを昨日のことのように思い出します。

その彼にノーベル賞とはこれ如何に? ノーベル賞とはダイナマイトの発明で莫大な財産を築いたノーベルが残したもの。分社化した一部は現在も「死の商人」、つまり軍需産業で金儲け。そんな連中が贖罪のためか何か知らんけど作り出した賞をディランに授けるとはいったいどういうつもりなのでしょうか。賞をあげるといえば誰もが尻尾を振ってくると思っているとしたら、ノーベル財団はヒトの矜持もわからん愚か者や、ロックを何と思っているんやねん・・・なんてディランは考えたのでしょうか(大阪弁は使わんな)。

ディランといえば、湾岸戦争でイケイケだった1991年にグラミー賞を受賞した時、式典では戦争を皮肉った「戦争の親玉」を歌ったくらいですから反戦反骨精神は旺盛です。その彼がノーベル賞を貰うのかどうか。貰うにしても何かしでかしそうじゃないですか(笑)。でも連絡拒否と聞くと、賞をパスする可能性も・・・。ホンマに受賞拒否なら、さすがディラン!、大拍手ですね。どうなることやら。

The Freewheelin' Bob Dylan