Fitbitに集団訴訟

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健康ガジェットのFitbit、昨年IPOして意気揚々としている最中かと思いきや、人気のリスト装着型心拍計がデタラメということで集団訴訟になり、株価が大きく落下中。測定原理はどの社もいっしょのはずですが、何故Fitibitが問題になっているのでしょうか。

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心拍数とは心臓がドクッドクッドクッと拍動する回数を1分間当たりで示すもの。脈拍とほぼ同じとみてよいので以前は(というか今でも)手首に指を当てて測るというのが通例です。

ところが、科学技術が進み血流に光を当て心拍数を測るという触れ込みの商品がここ数年の間に販売されるようになりました。その手の心拍計で現在一番売れているのがFitibit。それに続くのがApple。これは昨年売り出したAppleWatchに心拍センサーがついているからです。3番目は中国のシャオミ。それにGarminやポラールなどが続くようです。

先日心拍数を測れるブレスレット型のガジェットを私が手に入れた話をしましたが、私が選んだのはGarminのvivosmart HR J。業界一なFitbit製品を選ばなかったのは、電池の品質管理やサポートに難ありと判断したから(全く個人的な判断です、念のため)。

出典はTelegraph(UK)

出典はTelegraph(UK)

ところが、その一番売れていると云われるFitbit製品について昨年末辺りから集団訴訟が起きているのです。理由は心拍数の計測がおかしい、デタラメ、宣伝と違うじゃないかというものらしい。AppleもGarminもポラールもみんな測定原理は同じなのですが、問題になっているのはFitbitだけの問題なのでしょうか。

私のGarmin経験でいえば、リスト装着型ガジェットの心拍数データはかなりアバウト。比較的激しい運動の場合でもウソやんというような小さな数値を出すことはままありますし、測定インターバルの採り方によるのでしょうが、ピークの出方には1,2分の時間遅れがあります。リアルタイムかつ正確に測れるというFitbitの言い分はちょっと誇大広告でしょう。

そんなのは機器のクセだ、だいたいの心拍数がわかればオッケイだと私は思っていますが、一部米国の消費者はあにはからんや。Fitbitの宣伝はウソだった、許せないと思ったようです。はたして司法はどう判断するのか、興味津々です。

Fitbitはカリフォルニアに本拠地を置く健康ベンチャー。昨年IPO(新規上場)して株価のピークは一時50ドルを超えていましたが、この集団訴訟が原因なのか一気に大幅ダウンで13ドル台。約4分の1ですから、株主は阿鼻叫喚でしょう。こわいなぁ。

Fitbitの株価は大幅ドロップ中

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最後に一言。
Fitibitのトラブルや訴訟事件を報じるメディアは(テック系サイト以外に)日本にはほとんどなく、今でもFitbitの該当商品は誇大広告とともに大々的に販売されています。今回の問題が測定原理そのものの問題なのか、Fitibit製品固有の問題なのかいまだ不明です。近くの家電量販店では大幅値引きなんて打ち出していますが、問題商品の在庫を早く捌きたいということなのかもしれません。

海外のニュースをフォローしない者は泣きを見るしかないのでしょうか。かくいう私も価格コム程度しかチェックしていなかったため、昨年末USAで出てきたFitbitの集団訴訟の話は見落としていました。たまたま電池関連でFitibitを見送りましたが、集団訴訟のことを知っていたらFitibitは確実に検討対象から外していたことでしょう。あぶないあぶない。

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