ザルツブルグ中央駅 9月15日 オーストリア旅行 その1

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9月15日インスブルックから列車でザルツブルグ中央駅に到着。半地下の連絡通路に降りると、あらまぁ大変。歩けないほど大勢の人だかり。いったい何やねん。警官が隣のプラットホームへの階段を封鎖し、列車待ちらしき人々が駅構内に溢れているのを見て、あぁシリアなどからの難民集団がここにもいるのだとわかりました。私たち夫婦のオーストリア旅行、まずは時事ネタからスタートです。

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12日から21日までオーストリアのインスブルックとザルツブルグをブラブラしてきました。15日にÖBB(エービービー、オーストリア連邦鉄道)でインスブルックからザルツブルグへ移動したのですが、到着したら先の様相。つまり、ザルツブルグ駅で難民問題の一端に遭遇したわけです。

ハンガリーからウィーンに入った難民の人たちはそのままドイツに入っていくと日本にいる時には予想していたのですが、どうやらザルツブルグにも流れてきているみたい。考えてみれば、ザルツブルグはドイツとの国境に近く、ミュンヘンまで列車で1時間程度。何となれば徒歩で国境を越えることも可能という場所柄ですから、相手の気持ちになれば当然の選択です。

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そういえば、インスブルックで切符を買う時、窓口の女性が「乗車予定の列車はふだんは10時22分発だけど今日は10時18分発」なんて奇妙なことを言っていました。その上、乗った列車が到着予定の12時03分になってもザルツブルグに着きません。車内案内では約1時間遅れの表示が出ていました。おかしいなぁ、事故でもあったんかいなぁと思っていたのですが、こんなに大勢の人たちが鉄道に群がっているのですから、オーストリア内の列車遅延は当たり前という状況なのでしょう。

駅構内の難民の数はざっと数百人、駅の外まで溢れている人たちを入れるとゆうに千人は超えていそうです。予想外の混雑にコワイなぁヤバイなぁと最初思ったのですが、これは勝手な思い込みでした。

何人かの眼差しを見ると静かな熱気というか、とにかく列車に乗ってドイツ方面へ脱出したいと真剣に希求している、そんな眼差しです。生きるために未来を求めて前向きに指向しているというような真剣な雰囲気なのです。何か熱いものを感じてしまいました。さらによく見ると、携帯でしゃべったりメールしたり、電子機器でインターネットをしたり、という人たちも多く、難民の人たちも情報社会の中を生きている、あるいは情報を取れる人たちがここまで辿り着いている、と感じました。

(theGuardian誌9月16日の紙面から)

(theGuardian誌9月16日の紙面から)

大きなスーツケースを持っていたせいもありますが、私はこのシーンにカメラを向けるのは非礼のような気がして写真を撮れませんでした。報道カメラマンにはなれませんね(苦笑)。その代わりにtheGuardian誌9月16日(上)とgettyimagesの写真(下)を紹介しておきます。当日はまさにこの通りで、この人だかりを抜けるのに往生した次第です。

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ホテルでZDF(ドイツのTV放送)を見ると、難民の動きがハンガリー経由からクロアチア経由に変わったというニュースをやっていました(その数日後クロアチアは制限)。また、ザルツブルグにも1万人弱が流れているというような話だったのでやはりなぁと確認できた次第です。

現地の新聞では難民(Refugee)を移民(Migrant)と言い換えることで経済援助をできるだけ避ける動きが出始めていました。でも、あの駅にいた人たちはそんなお金の心配より、まずは安住の地を求めているのではないでしょうか。彼らの未来に幸あることを願う次第です。

シビアな話でスタートしましたが、以降はインスブルックとザルツブルグの旅行記です。タイトルは、オーストリアでSIMカード/お登りさん/スワロフスキーワールド/マリオネットシアター/グラーシュとシュニッツェル/美味しいオーストリアワイン/エスチマー等々を予定しています(変更あり)。

追加記事として、「ボスナとシリア難民そしてSIMカード オーストリア旅行その7」あり。