グリッドパリティの時代

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最近グリッドパリティという言葉を聞くようになりました。これは電力網(グリッド)を流れる電気の料金と再生可能エネルギーで作り出した電気の値段とが同等(パリティ)になることを表しています。つまり、商用電力を買おうがソーラー発電で作ろうが値段はいっしょ、ということ。日本でも2013年度に第一段階のグリッドパリティになり、拙宅がソーラー発電を導入した16年前からするとすっかり様変わり。

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kame2ソーラー発電で作り出す電気のコストは、設置費用とメンテナンスに係る費用の合計を年間発電量と耐用年数で割り算すれば出てきます。ちなみに、拙宅がソーラー発電を導入したのは1999年ですが、当時の設置費用から計算すると、1kWh当たり約60円(耐用年数20年で計算、割引率や金利は無視)で、補助金を考慮すると1kWh当たり40円でした。

その後、中国などで安い発電パネルが製作されるようになったり、2011年の3.11以降ソーラー発電を導入する人が増加したこともあり、設置費用が大幅にダウン。現在ではなんと、1kWh当たりのコストが約20円という例もあるそうです。拙宅例の3分の1(補助金考慮で2分の1)ですから驚きますね〜。

このようなソーラー発電(再生可能エネルギー)のコスト低下で、商用電力との価格差がなくなってきました(つまり、パリティになってきた)。ドイツでは2012年にグリッドパリティになり、日本でも2013年度にNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が云う第一段階のグリッドパリティ(23円)に達しています。つまり、ソーラー発電は補助金や助成策がなくても充分にペイするレベルになってきたということ。これもまたマル。


flwr1506b今後円安や世界情勢の変化で原油代や天然ガスの輸入価格は大きくアップするでしょう。それに応じて商用電力の料金も騰がりますから、ソーラー発電などで作る電気代の方が安くなるかもしれません。そんな時代はもうそこまで来ています。

自宅の屋根が日陰じゃない人は、ソーラー発電の設置を検討してみてはどうでしょうか。居住可能年数や屋根の状態にもよりますのでケースバイケースですが、小型車1台分のコストで電気代を先払いにするかどうかという選択になります。今後円安などで電気代が大幅にアップすると考えるならソーラー発電の方がさらに割安です。それよりも何よりも原発推進の商用電力との縁を薄める効果が大きい。また、大勢でソーラー発電をした電気を地域電力会社化して売るということだって理屈上可能なのではないでしょうか。

来年春の電力小売り自由化や2020年の発送電分離という法制改訂で電気を取り巻く状況はビビッドになってきました。今後さらにソーラー発電や燃料電池の意義が評価される時代となるでしょう。こんな時代がやってくるのをずっと心待ちにしていましたが、いざやってくるとなかなか感慨深い。この流れを脱原発にどう繋げていくのか、いろいろ知恵を絞っていきましょう。(下の写真は拙宅に設置したバッテリー、設備認定待ち中)

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