エゴイズムの勝利

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ギリシャの国民投票で債権団の再建策・緊縮策要求に反対する方が勝りました。チブラス首相は「民主主義の勝利」と云っていますが、それはエゴイズムの勝利。この結果を受けて為替は一気にユーロ高(リスクオン)で、ギリシャのEU離脱を折り込んできました。

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reuters706大借金している家庭がお金が返せなくなった時、家族会議で緊縮家計をしないことを決めたので今後ともよろしくなんて言い出したら、そんな者を誰が信用するのでしょうか。債権者側から財産没収の取り立てがすぐに始まるはず。ましてやそれを「民主主義の勝利」と云うのはルール違反を表明するだけの厚顔無恥。今回のギリシャの言い分はまさにそれ。エゴイズムの勝利の間違いじゃないですか。呆れてしまいます。

早速ヨーロッパではスペイン左派政党が「きょう、ギリシャで民主主義が勝利した」と祝意を表明。フランスでは極右政党が「ギリシャ国民からの『ノー』は、健全で新しい道を開くものとならねばならない」等と表明。英国ではEU離脱を目指す「英独立党(UKIP)」が「ブリュッセルによる政治的・経済的脅しと対決したギリシャ人の勇気は素晴らしい」と讃えています。(出典は時事通信。写真はロイターから)

要するに、ユーロ連合のやり方に反旗を翻している党派がギリシャを讃えており、この問題には右も左も本質的な差異がないことを明らかにしています。お金や人種問題などごちゃごちゃですね〜。

一方、為替は正直で6日早朝のシドニー市場では先週末から一気に窓開けのドル高ユーロ安、つまりリスクオン。7:47分現在で少し持ち直してきましたが、不安定な状況は続くでしょう。

それにしても、この状況をギリシャ政府の言い分そのままに「民主主義の勝利」とだけ報じるNHKはやっぱりブーシット。近い将来に国民投票で戦争すると決めること(投票操作込み)をこの国でも折り込んでいるのでしょうか。