ライザップのリバウンド

.Lowcarboあるいは糖質制限

先日ライザップを取り上げたら、ライザップでは結局リバウンドするからダメだとか、お金が高すぎる等という意見を聞きました。私も書いたように、糖質制限だけならお金をかけなくてもできますから後者の意見は同意。リバウンドについてはもう1つよくわかりません。でも、先日テレビでライザップを特集していたのを偶然見かけてリバウンドする訳が少しわかりました。

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先日書いたように、ライザップに対する私の意見は糖質制限が広がるという意味ではマル。でも、あのテレビコマーシャルは明らかに変。だって、最初は肩を落としてお腹を突き出しておきながら、ライザップ後は背筋を伸ばしてお腹を引っ込めているのが見え見え。映像はPhotoshopで作るなり、いくらでも演出できますから、あれで引き込まれる人が多いとしたら、やはり世の中には目が眩む人が多いのでしょうか。

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それはさておき、テレビの特集でわかったことがいろいろ。まず、ライザップを経営する「健康コーポレーション」が昔やっていたクッキーダイエットのクッキーはおからと豆乳で作っていたこと、次にダイエットブームの変遷でその商売が傾いたが、クッキーで稼いだお金で関連事業を買収していき、辿り着いたのがライザップだったこと。

糖質制限に目をつけたのはもともと健康関連に関わっていたからでしょう。でも、糖質制限だけではお金を取りにくいし、数ヶ月や数年の時間がかかる。そこで考えたのが筋トレとの合体。そうすれば、1,2ヶ月で目に見える効果が出てくるというわけ。これはこれである意味正解。痩身需要をうまく吸い上げ、お金儲けに繋げた手腕は目利きだったというところでしょう。

現在ライザップの会員は2万人を超えているそうな。ただ、TVに出てきた会員さんの話を聞いていると、「痩せたい」。「子や孫にイイ格好がしたい」等というもので、痩身や筋肉質な肉体への憧れが動機でした。それはそれで良くわかりますが、私などの糖質制限とは覚悟の程があまりにも違います。

私が糖質制限を行っているのは食後血糖値の上昇を抑えるためであり、糖尿病の発症を食い止め、命を長らえるため。医療行為の一環で糖質制限を行っている人は私と同じような覚悟で臨んでいるはずです。

大袈裟に云えば自身の命がかかっているわけですから、簡単に諦めたり挫けるわけにはいきません。他者から何と云われようと食べないものは食べない、そういった毅然とした態度で臨まないと継続はできません。要するに、私の糖質制限とは命の問題であり、ダイエットが主たる目的ではないのです(といいつつ、ときどきお寿司を食べたりはしますが・・・)。

一方ライザップに通い、1,2ヶ月で痩せた、お腹の筋肉が割れて見栄えが良くなった等々と効果が出てくれば、それでオシマイと考える人が会員の中には多いのではないか。他者の目を気にするような思惑でやっているなら尚更です。痩せてオシマイにすれば元の木阿弥。だんだん元の生活に戻ってしまう・・・そういうことではないか。つまり、基本が糖質制限だということを軽視してしまうからでしょう。そんなことをTVを見ながら感じました。

リバウンドが多いという指摘に対しライザップの社長曰く、「リバウンドしないとは(ホームページに)一言も書いていない」とし、「当たり前だが、暴食すれば太る」と説明しています(週刊ダイヤモンド2015/5/30号)。その通りですが、それならお金をかけなくても普通に糖質制限すればいいだけじゃないかと私なんかは考えてしまいます(苦笑)。

おまけ。ライザップは糖質制限を広めている江部医師(京都高雄病院)に監修を依頼したそうですが、江部医師はそれを断っています(出典:江部医師のサイト)。さもありなん、というところ。だって、糖質制限は1,2ヶ月でオシマイになるものでもありませんし、痩身は主たる目的ではないからです。

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